政府は、森林の整備を促進し、二酸化炭素(CO2)の吸収量を増やすことを目的とした特別措置法案を今国会に提出することを決めた。樹木の成長を促す間伐を自治体が実施する際、地方債で経費を調達することを初めて認めた。間伐計画を作成するなど森林整備に積極的な市町村への交付金制度も創設する。交付金総額は年間10億円規模の見通し。6割の人工林が間伐期を迎えており、新制度で財政状況が厳しい自治体を支援する。
京都議定書で日本は、CO2など温室効果ガスの排出量を90年比で6%削減する義務を負った。政府はこのうち3.8%分(炭素換算で1300万トン)を森林による吸収で賄う計画を立てた。
現在は年間約35万ヘクタールの人工林が間伐されているが、目標達成には、12年度まで毎年20万ヘクタールを上乗せして間伐する必要がある。間伐される人工林の8割は自治体や民間の所有だ。
自治体が森を手入れする場合、国から経費の5割が補助される。しかし、搬出費用も含めると、1ヘクタールの間伐には約40万円かかり、自治体の負担も大きい。そこで、12年度までの特例措置として、森林整備事業を地方債の対象として認めることにした。自治体は、一般財源を使わずに事業を進めることができる。
新設する交付金は対象を市町村に絞った。県などを介さず国から直接交付するため、迅速な対応が可能だ。林野庁は「現場に身近な市町村の取り組みを促したい」としている。【温暖化問題取材班】
▽小林紀之日本大教授(環境法)の話 森づくりは地域の再生にもつながる。温暖化対策を追い風にした新制度をどう活用していくのか、国や自治体の対応が問われる。