「支持するのは不法移民を合法化してくれる候補だ」。ヒスパニック(中南米系移民とその子孫)が多数を占めるロサンゼルスのボイル・ハイツ地区。先月28日のヒスパニック系人権団体の集会では、移民の地位向上などを求める参加者が「民主党は1300万人の移民に何をしてくれるの?」などと声を上げた。組織力を背景に有力候補に圧力をかけるのが狙いだ。
予備選最多の代議員を選ぶカリフォルニア州は、予備選集中日スーパーチューズデーの鍵を握る。ヒスパニックは州人口の36%を占め、43%の白人に次いで多い。6割近くが民主党支持のため、ヒラリー・クリントン上院議員(60)とバラク・オバマ上院議員(46)にとってヒスパニック票は極めて重要だ。
先月30日のロサンゼルス民主党討論会でも「失業者の増加が移民のせいだとは思わない」(オバマ氏)、「包括的改革による移民問題の解決が必要」(クリントン氏)など、ヒスパニック票を意識した発言が目立った。
ヒスパニックの間では、初の黒人大統領を目指すオバマ氏よりも、かつて好景気をもたらしたビル・クリントン前大統領の妻であるクリントン氏の方が人気が高い。背景には黒人とヒスパニックの対立もある。
ヒスパニックと黒人が混住するロサンゼルス南部コンプトン。低所得者向け高金利住宅ローン(サブプライムローン)問題の影響からか、「差し押さえ」「売り家」の看板が目立つ。ヒスパニックの女性、マンリケさん(25)は「友人はみなクリントン派。オバマは口先だけ。黒人が優秀だと示したいのよ」と反黒人感情を隠さない。
向かいの主婦、サンチェスさん(54)はヒスパニックだがオバマ派。人種対立を心配している。止まった車の屋根に飛び乗り騒いでいる黒人の若者たちに注意したら「黒人が大統領になったら何でもできる」と言い返されたという。
だが、オバマ氏の知名度が上がるにつれ、ヒスパニックの間でも同氏への支持者は増えている。オバマ氏は若年層やリベラル派の支持も集め、同州トップのクリントン氏に数ポイント差まで迫っている。
共和党はシュワルツェネッガー州知事が1月31日、ジョン・マケイン上院議員(71)の支持を表明。ギャラップ社の支持率調査(1月23〜26日)によるとマケイン氏35%、ロムニー氏27%だが、マケイン氏がリードを広げそうだ。【ロサンゼルス國枝すみれ】