【ベルリン=黒沢潤】コソボ自治州の独立問題で揺れるセルビアで3日、大統領選挙の決選投票が行われる。親欧米派のタジッチ現大統領と、極右民族派政党、セルビア急進党のニコリッチ党首代行が激しい接戦を繰り広げることが予想される。投票結果は、セルビアの欧州連合(EU)加盟の行方を大きく左右するだけでなく、コソボ独立の時期にも影響を与える。
2人ともコソボ独立には反対の立場だが、タジッチ氏はEUへの早期加盟を目指し、決選投票を欧州統合への「国民投票」と位置付ける。ニコリッチ氏は、EUがコソボ独立を認めた場合、EU加盟交渉を凍結すると主張しており、当選すればEUとの関係冷却化は必至だ。EUは先月28日、セルビアのEU加盟の第1段階となる「安定・連合協定」の暫定協定を7日にも締結することを決め、タジッチ氏支援を明確にした。
計9人が出馬した先月20日の第1回投票では、ニコリッチ氏が39・99%の票を獲得、タジッチ氏は35・39%。しかし、最近の世論調査によれば、タジッチ氏は国内の民主勢力を糾合し、約2ポイントのリードを維持している。
ただ、コソボ自治州側は、決選投票の結果にかかわらず、欧米と調整した上で、できるだけ早期に独立宣言する構えだ。ロイター通信が外交筋の話として伝えたところによれば、ニコリッチ氏が当選すれば、独立の時期は9日か10日になる見通しだ。ロシアとの関係強化を主張するニコリッチ氏相手に、交渉の余地がまったくないためだ。
タジッチ氏が当選した場合には、数日でも多くの準備期間が必要との欧米側の要請にこたえる形で、独立は早くても17日になる見通しという。