9日に東京で開かれる先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)で、米国の低所得者向け高金利型住宅ローン(サブプライムローン)問題で混乱する金融市場の安定化にG7各国がより緊密な協調態勢を取ることで一致する見通しとなった。ただ、日本が財政・金融政策面で実効性のある具体的な対策を講じるのは難しい情勢で、市場の動揺が沈静化するかどうかは不透明だ。議長国である日本は難しいかじ取りが迫られそうだ。
■サブプライム問題
8年ぶりの東京開催となる今回のG7では、サブプライムローン問題の拡大を防ぎ、金融市場を沈静化させられるかが最大の焦点となる。ワシントンで昨年10月に開かれたG7で、主要国の金融監督当局で組織する「金融安定化フォーラム」(FSF)に、サブプライム問題の原因分析や対応策の検討を要請しており、G7にはその中間報告が提出される。
会合でG7各国は、サブプライム問題や最近の原油高について意見を交換。金融機関のリスク管理や格付け機関のあり方、サブプライムの巨額損失に苦しむ欧米金融機関への資本支援で存在感を高める政府系ファンド(SWF)についても議論が交わされる。
この中で参加各国は、世界経済のファンダメンタルズ(基礎的諸条件)が底堅いことを確認し、先行き不透明感に対して各国が協調して問題に取り組む姿勢をアピールする構えだ。
サブプライム問題の震源である米国は、総額1500億ドル(約16兆円)規模の金融経済対策を打ち出す一方、米連邦準備制度理事会(FRB)は0・75%の緊急利下げに続き、0・5%の追加利下げを発表。動揺する金融・証券市場の安定化に躍起だが、市場の反応は冷たく、金融財政政策にも限界が見えてきた。
インフレ懸念が強まる欧州や低金利で金融政策に余裕がない日本が、協調利下げなどの具体的な政策に踏み切る可能性は低く、今回のG7の対応に悲観的な見方が広がれば、市場の混乱が拡大する懸念もある。
■サミット前哨戦
今回のG7では地球温暖化対策も主要議題の一つになる。
途上国への環境対策支援のため、福田康夫首相が1月の世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で「米英とともに多国間の新基金創設を目指す」と表明したのに続き、ブッシュ米大統領も1月28日の一般教書演説で20億ドル(約2100億円)規模の国際基金の創設を提唱した。
これを受け、日米英は今回のG7で他の4カ国に基金参加を呼びかける方向で調整を進めている。G7各国の合意が得られれば、基金の設立は大きく前進する。
東京G7は、7月に開催される北海道洞爺湖サミット(主要国首脳会議)の前哨戦に位置づけられている。額賀福志郎財務相は「金融市場、世界経済の安定につなげていくためのメッセージを発しなければならない」と議長国としてのリーダーシップに意欲を示しており、具体的な成果が上げられるかがサミット成功の成否を占うことにもなりそうだ。