どんな人でも遠隔操作で地域内を安全に行き来できる個人移動システム「コ・モビリティ」を研究する慶応大は31日、栗原市鴬沢地区を実証試験地とし、実用化に向け相互協力する協定を同市と交わした。今夏から2年間、4台の試作ビークル(電気自動車)を持ち込み、さまざまなテストをする。10〜15年後の実用化を目指す。
川嶋弘尚同大コ・モビリティ社会研究センター長(理工学部教授)と佐藤勇市長が協定書にサインした。ビークルは1〜2人乗りで、GPS(全地球測位システム)を利用する。子供や車の運転が困難な高齢者でも、自動制御で自宅から地域内の病院や商店に出掛けられるようにする仕組み。乗っている人は数回パネルタッチする程度ですむ。
過疎化、高齢化で移動手段がなくなった地域で、交通弱者の気軽な足となり、地域交通システムの変革と新しい形のコミュニティーを作る潜在力を秘めるという。家庭電源からの充電1回で50キロ前後の走行性能を確保する。試験拠点は鴬沢の市研修施設「マインプラザ」。遠隔操作などのため、同大側の研究者たちが現地入りする。
研究には文部科学省と大手企業5社が助成金の拠出などでかかわる。栗原市は他の候補地の青森市や東京都三鷹市より名乗りが遅れたが、地域実情が好適と、最初に試験地に選ばれた。佐藤市長は「エコタウン鴬沢にふさわしい取り組みで、試験をしっかり支えたい」と話す。【小原博人】
2月1日朝刊