空港会社への外資規制を巡り、政府・与党内の意見対立が先鋭化してきた。外国企業による空港買収は国益を損なう恐れがあるとして、外資規制を盛り込んだ空港整備法改正を目指す国土交通省に対し、対日投資促進を重視する金融庁と自民党の一部議員が法改正に反対。国交省は5日の閣議決定を見送って打開策を探る構えだが、先行きは不透明だ。
改正案は空港会社などの株式について、外資の保有割合を議決権ベースで3分の1未満に抑える内容。上場を予定している成田国際空港や、既に豪投資銀行グループが約20%の株式を取得した羽田空港ターミナルビル運営会社「日本空港ビルデング」も対象だ。
冬柴鉄三国交相は1日の閣議後会見で、欧州で外国企業が空港会社を買収し空港使用料を値上げしたことを引き合いに「国民が不利益を被る可能性がある」と必要性を訴えた。
一方、渡辺喜美金融担当相は、スイスで開かれた世界経済フォーラム(ダボス会議)で福田康夫首相が対日投資促進を訴えたことを挙げ「日本政府(の姿勢)が疑われる」と反論する。1月末の自民党国土交通部会などでも塩崎恭久元官房長官らが猛反発し、法案了承は先送りされた。
一連の論争は法改正に伴う空港の名称変更にも飛び火。東京国際(羽田)、大阪国際(伊丹)両空港の名から「国際」を外そうとした国交省が方針撤回に追い込まれた。【清水憲司、辻本貴洋】