外務省が外交機密費(報償費)の支出文書を開示しないのは違法として、NPO法人「情報公開市民センター」が、外務省の不開示処分の取り消しを求めた訴訟の控訴審判決が31日、東京高裁であった。吉戒修一裁判長は、全面開示を命じた1審東京地裁判決を変更し、開示対象を大幅に限定する判決を言い渡した。
対象は、外務省の大臣官房と米国など4カ国の日本大使館で、平成12年2〜3月に支出された機密費に関する文書1069件。うち52件はすでに開示されている。
吉戒裁判長は、外務省が提出した簡略化されたサンプル文書約50件を基に、文書の開示・不開示の是非を検討。
情報の対価として支払われた経費に関する文書や、情報収集のための会合に関する請求書や領収書など大半の文書について、「公になることで外交交渉上、不利益を被る恐れがある」として不開示とした。
1審判決は、外交機密費について「本来の目的以外にも使われていたと考えられる」と指摘し、「外務省は不開示理由の立証を尽くしていない」として全面開示を命じていた。
判決によると、原告は平成13年、文書公開を同省に請求。同省は「公開することで外交問題が起きる恐れがある」として全面不開示を決定した。
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【用語解説】外交機密費
情報収集や諸外国との外交交渉を有利に展開するために使用する経費。「報償費」として予算計上される。平成19年度は27億円で、20年度も同額を要求している。情報提供者への謝礼などに使われるが、支出内容は公開されない。13年に同省職員による機密費詐欺事件などが起きたことから、「不透明」との批判が高まった。同省は会計検査院の指摘や内閣府情報公開審査会の答申を受け、酒類購入費など一部については公開している。