昨年7月の新潟県中越沖地震で被害を受けた東京電力柏崎刈羽原子力発電所の応急対策を総務省が調査したところ、経済産業省の原子力防災専門官が通常なら20分で到着する発電所に渋滞のため2時間もかかったうえ、コンピューターのケーブル故障で現場から県に放射線量のデータを送れなかったことがわかった。増田寛也総務相は1日、甘利明経済産業相に対し、原発被災の迅速な情報把握や施設の地震対策に万全の措置を講じるよう勧告した。
調査は、刈羽原発を中心に北海道電力泊発電所など全国10カ所の施設と関連機関を対象に実施した。
それによると、中越沖地震発生から40分後、防災専門官ら2人が保安検査官事務所から防災車で現場に向かったが、緊急自動車の指定がないため交通規制に伴う渋滞に巻き込まれ、国への被災状況報告が大幅に遅れた。また、同事務所は発生直後の報道発表や住民への情報提供をしていなかった。
このほか、災害発生時に設けなければならない緊急時対策室を発電所の事務本館に設定していたため、地震でドアがゆがんで中に入れず、発生から47分後まで使用できなかったこともわかった。
同発電所と同様、ほかの9発電所も対策室の設置場所を事務本館や管理事務所に予定していることから、耐震性に配慮し改めて基準を策定することも併せて勧告した。【七井辰男】