君に幸せあれ! キャンプインを前に宮崎入りした王貞治監督(67)が31日、ナインにお気に入りのナンバーをプレゼントした。宮崎市内の宿舎に到着後、すぐに行われた全体ミーティングで、王監督は親交のある歌手・長渕剛さんの大ヒット曲「乾杯」の歌詞の一部を朗読。「すべての選手が横一線。君たちは今、スタートラインに立っている」と、ホットなゲキを飛ばした。
勢ぞろいした選手、スタッフを前に、王監督は朗読を始めた。キャンプインを翌日に控えて、宮崎市内の宿舎内で行われる恒例の全体ミーティング。「監督指針」を通達するよりも前に、どうしても全員に伝えておきたい言葉があった。
「君たちも知っているかもしれないが、長渕剛の『乾杯』という歌がある。いい曲であるのは前から知っていたが、このオフに聞いてみて意味深に感じたんでね」。そう短く前置きすると、会場に王監督の声が響き渡った。
「乾杯! 今 君は人生の 大きな 大きな舞台に立ち 遙(はる)か長い道のりを 歩き始めた君に 幸せあれ」
1980年に初めて発表、88年にはシングルとして発売された「乾杯」は、結婚式や卒業式の定番ソング。王監督も何度も聴いてきたが、このオフは「今まで聞き流していたものが、感じ方が違った」という。5年ぶりのV奪回を目指すチームの現状が、その大きな理由だった。
「この世界はすべての選手が横一線。そういう意味では、君たちは人生の大きな舞台に立っているんだ。それに、つらく厳しいことも多い世界だけど、いい結果が出たら喜びも大きい。はるか長い道のりを…という言葉には、君たちも思うところがあるだろう」
2006年、王監督が胃の全摘出手術で入院した際には、長渕さんが自筆の大きな絵を持って見舞いに駆けつけた。「年下なんだけど、熱いよね」。その生きざまに共感するからこそ、自らラストと位置づけた大事な年のキャンプを前に、伝えたい言葉だった。
体調面の不安も抱えながら現場に復帰した昨年と違い、確かな手応えがある。「大きな舞台」に立っているのは、ほかでもない王監督かもしれない。「自分は勝つ喜びを知っている。4年間それを知らない人が増えているから、勝つことはこんなにいいんだということを、味わわせられるように頑張りたい」。固いきずなに思いを寄せて、頂点へのはるか長い道のりを歩き出した。 (山本泰明)
=2008/02/01付西日本スポーツ=