米ジョンソンコントロールズと仏サフト(Saft)の合弁会社ジョンソンコントロールズ・サフト・アドバンスト・パワーソリューションズは1月31日、仏西部のネルサ(Nersac)で自動車向けのリチウムイオン電池工場を正式にオープンしたと発表した。今後に見込まれる需要の拡大に対応する。
自動車用電池としてはこれまでニッケル水素電池が一般的だったが、家庭のコンセントなどにつないで充電できるプラグインハイブリッド(HV)車や燃料電池車、電気自動車の本格展開に向け、より出力密度が高く大幅な小型化が可能なリチウムイオン電池への注目が高まっている。トヨタ自動車は年明けの北米国際自動車ショー(デトロイト)で、リチウムイオン電池を搭載したプラグインHV車を2010年までに米国などに投入すると発表。松下電器産業と共同出資するパナソニックEVエナジーが、電池の量産化に向けた研究を進めている。
片や仏ルノー・日産自動車連合は、NECとの共同開発によるリチウムイオン電池を積んだ電気自動車の量産化に向けたプロジェクトをイスラエルで実施する計画。米ゼネラルモーターズ(GM)はシボレーの電気自動車「ボルト」向けの電池で、独タイヤ・自動車部品大手コンチネンタルおよび韓国のLG化学と提携している。
ビル管理システムなどを手掛けるジョンソンコントロールズは産業向け高性能電池に強みを持つサフトと手を組み、リチウムイオン電池を世界展開する意向。ネルサ工場の初期投資額は1,500万ユーロ(23億6,000万円)で、年産能力は5,000個に上る。需要次第でさらに拡大することも可能という。なお自動車向けのリチウムイオン電池を専門に生産する施設は世界で初めて。
ジョンソンコントロールズ・サフトは米ミルウォーキーと仏ボルドーに研究・開発(R&D)拠点を持つ。またミルウォーキー、独ハノーバー、上海にはシステムエンジニアリング・検査センターも構えている。
同社は今後、世界各地にリチウムイオン電池工場を設置する方針。それぞれの拠点で域内の需要を満たす考えだ。
なお先には仏富豪のバンサン・ボロレ氏率いるボロレ・グループとフランス電力公社(EDF)の合弁会社バットスカップ(BatScap)が、電気自動車用の電池工場の操業を開始した。ボロレ・グループが開発したリチウムメタルポリマー電池を年間1万個を生産する計画だ。