長時間労働や低賃金などの悩みを抱える仙台市内の若者が、年内に「フリーター労組仙台」を結成する。企業や職場の枠を超えて団結し、団体交渉に当たるとともに、労働法の勉強会を開いて雇用をめぐる問題解決に取り組む。初のイベントとして3日、労働問題をテーマにした映画の上映会を開き、加入者を募る。
労組は、アルバイトや派遣社員ら非正規雇用の労働者が中心。ニートや離職者も受け入れる。
呼び掛け人は現在求職中の清水貴子さん(29)=泉区=。早大卒業後、公務員志望がかなわず、郵便局や区役所などで非常勤職員として働いたが、職場でのミスを理由に契約更新を拒否される「雇い止め」になったという。
昨年12月、格差社会を告発する「生きさせろ!」の著者雨宮処凜(かりん)さんの講演を聴き、不安定な雇用を増やす社会に疑問を抱いたという清水さん。チラシを作り、労組結成に動き始めた。
清水さんは「かつて働いた職場では、長時間労働でうつ病になった人や、理不尽な理由で解雇された仲間がいた。個人の能力とは無関係に、厳しい環境に置かれる若者と手を携えたい」と語る。
市内の大学で非正規の研究員の立場にある30代男性は趣旨に賛同する。「任期付きの研究員が増えている。常勤でないと、やりがいがある仕事を任せられず、扱いが軽い」と話す。
東京都内では2004年、約100人が加入する「フリーター全般労働組合」が発足した。突然、アルバイトの女性に解雇を通告した歯科医院に対して団体交渉の末、解決金を払わせるなどの成果を挙げている。
上映会は3日午後2時から、市戦災復興記念館で開く。長時間の残業を強いられる女性を取り上げた短編「娘の時間」(日本)、日雇いにさせられた港湾労働者の闘いを描く「ピケをこえなかった男たち」(英国)などを上映。参加費500円。終了後に交流会がある。
連絡先は清水さん080(6602)8513。
<メモ>2002年の総務庁(現総務省)の就業構造基本調査によると、宮城県内で働く雇用者99万4000人のうち、パート・アルバイトや派遣社員は22万8000人で22.9%を占める。パート・アルバイトの数は1987年に比べて倍増した。