フェブラリーSを見据える「第22回根岸S」の追い切りが30日、美浦、栗東の両トレセンで行われた。JCダート5着ワイルドワンダーは久保田師自ら騎乗し、坂路で鋭い伸びを見せた。フェブラリーSに弾みをつけるためにも譲れない始動戦だ。
朝一番で坂路に入ったワイルドワンダー。久保田師自ら手綱を取り、まずは1F14秒台のラップで体をほぐした。2本目は最初の1Fを14秒3で流すと一気にギアを上げ、12秒台のラップを均等に刻んでゴール。外ラチ沿いを軽く仕掛けられると、まるでゴムまりのように躍動した。前走出走時が456キロと、大型馬が多いダート戦線にあっては小柄だが、馬体のハンデを感じさせない迫力の脚さばき。昨秋のJCダート以来の実戦だが、すでに年明け31本目の登坂。乗り込み量は文句なく、久々の不安もない。「しまい重点だったけど、反応は良かったね」。手綱から伝わった好感触に久保田師の表情も自然と緩んだ。
4歳までは重賞で凡走を続けたが、5歳となった昨年4月のアンタレスSで重賞初Vを飾ると一気にブレーク。昨年1年間は【3211】とパーフェクトに近い成績を残した。JCダートこそ5着に敗れたが「この馬にとっては少し長い距離で最後までよく粘ったと思う」と久保田師は全く悲観していない。「昨年は充実の1年だったが、今年はもう1つ上を目指す年」と話すように、目標はフェブラリーS(2月24日、東京)でのG1制覇。そのためには「ここで変な競馬はしたくない」と同師は初戦から全力投球の構えだ。
「若い頃は何度もはね返されてきたが、じっくりと成長を待ったのが良かった。今は調整も本当に楽になった」。脚元の具合と相談しながらの苦心の調教は過去の話。たくましく成長した愛馬を見つめる久保田師の表情には一点の曇りもない。通算【3101】と自慢の末脚が最も生きる東京ダート。中でも1400メートル戦は2戦2勝と負け知らずの舞台。G1を見据えるワンダーにとって、ここは通過点にすぎない。