サッカーの日本代表は30日にボスニア・ヘルツェゴビナを3−0で降し、2月6日に控えたワールドカップ(W杯)南アフリカ大会アジア3次予選初戦のタイ戦に弾みをつけた。19歳の右サイドバック、内田篤人(鹿島)が躍動した試合でもあった。
「90分間、出られて良かった。普通なら自分を使ってはくれない。岡田監督に感謝しながらプレーした」。代表2戦目で初のフル出場を果たした内田は、はにかみながら語った。
デビュー戦となった26日のチリ戦では、不本意な出来に終わった。チリの激しいプレスに苦しんで得意のオーバーラップは影を潜め、「何もできなかった。ふがいない」と悔しがった。だが、大型選手ぞろいのボスニア・ヘルツェゴビナ戦では、内田のスピードが生きた。
前半35分に中村憲剛(川崎)のスルーパスを受けて右サイドを抜け出しながら、シュートをためらうなど課題も残った。だが、その5分後にマーカーのタイミングを外してゴール近くの高原直泰(浦和)に絶妙のパスを通すなど、多くのチャンスを演出し、潜在能力の高さを示した。
代表の右サイドバックはここ数年、28歳になる加地亮(ガ大阪)が不動のレギュラーとして君臨してきた。現時点での力や安定感は、加地の方が上のはず。だが、病に倒れたオシム前監督を引き継いだ岡田監督は、あえて若い力を試している。
15日から23日まで行われた鹿児島合宿で、内田は「ここにいて、いいのかな、という感じ。元々マイナス思考だし、課題ばかりで、毎日落ち込んでいます」とこぼしていたが、使われることで自信を付けつつある。岡田監督は「内田はまだまだ線も細いし、経験が少ない。球際が弱いところもあるが、パスの出し方は非凡だし、将来が楽しみ」と高い期待を寄せている。【安間徹】