「民主党が徹底的に抵抗して(再可決できず)つなぎ法案が壊れれば、4月に向けて大混乱になりますよ」
自民党の与謝野馨前官房長官は28日昼、首相官邸に福田康夫首相を訪ね、法案反対を進言した。与野党対決は抜き差しならぬ状況だったが、話し合い路線を切望していた首相は、与謝野氏の進言に満足そうにうなずいた。
「つなぎ法案」に対し、首相は一貫して冷淡な姿勢だった。29日の衆院予算委員会でも「(法案の)中身は本当に承知していない。与党の方で任せてほしいと言われていますのでね」と答弁し、内心の不満をのぞかせた。
29日夜、07年度補正予算案を可決した衆院本会議後、与党はつなぎ法案を提出した。同じころ、首相公邸では首相と町村信孝官房長官が、ビールと軽食を取りながら向かい合った。「法案は提出されたが、河野(洋平衆院議長)さんのあっせんに期待している」。首相は与野党合意をあきらめていなかった。
一夜明けた30日朝、公邸で伊吹文明自民党幹事長と会談。「よく話し合って国民の視線でよい結論が出るように」と法案推進派の伊吹氏にくぎを刺した。
首相の意を体したのが自民党の大島理森国対委員長だ。河野議長と頻繁に連絡を取り合い、話し合い路線を目指した。30日昼、河野議長は江田五月参院議長と会談した際、「最後の最後、わずかなところで(与野党間に)つり橋がかからない。もう一汗かきたい」と与野党合意への意欲を語った。「年度内に一定の結論」で与野党が歩み寄ったのは、衆院本会議を予定した午後3時の直前だった。