直方市内のアーケード街などに設置されている消防用設備の連結送水管の盗難事件で、被害に遭った59個のうち、1カ月弱たった29日現在で4個しか原状回復されていないことが分かった。消防用設備の適正な管理は施設所有者に義務付けられており、法令違反の状態が続いている。市消防本部は「早急に対処してほしいが、事情が事情だけに強く指導しにくい」と苦慮している。
盗難は9日、アーケード街で送水管のカバーと消火ホースにつなぐための金具(いずれもステンレス製)がなくなっていたことで発覚した。市消防本部が調べたところ、マンションや福祉施設を含む16施設で計59個が盗まれていたことが判明。金具がないとホースにつなげず、消火活動に影響がある。
消防法では、連結送水管は一定規模以上の建物やアーケード街への設置が義務付けられており、所有者らが管理することが求められている。適正に管理されていない場合は行政指導の対象になる。
市消防本部は11日、被害者に原状回復を求める通知を出した。2施設から計4個を改修したとの報告があったが、それ以外の施設から報告はないという。
20個が盗難に遭った直方古町商店街振興組合(75店舗)は工賃込みの見積もりを100万円弱と算出。白柿精一理事は「費用は各店舗で負担することになるだろう。しかし、また盗まれるのではと思うと慎重にならざるを得ないのが本音」と困惑気味だ。
市消防本部は「今回の通知はお願い半分、指導半分。一定期間様子をみて、改修計画書の提出を求めるなどの指導を重ねることになる」。盗難防止については「ひんぱんに見回るのは難しい。防犯カメラなどで自衛してもらうしかない」と話している。【入江直樹】〔筑豊版〕
1月30日朝刊