北海道のスケトウダラの漁獲枠をめぐる贈収賄事件で、収賄罪に問われた函館市日吉町1、前道立函館水産試験場長、奥野英治被告(58)=参与へ異動=の初公判が30日、函館地裁(岡田龍太郎裁判官)であった。検察側は冒頭陳述で、渡島支庁選出の野呂善市道議(当時)が贈賄側からの依頼を受け、奥野被告に働きかけていたことを明らかにした。検察側は懲役1年を求刑し結審。判決は2月19日。
検察側によると、森漁協組合長(59)=贈賄罪で罰金70万円の略式命令=は漁獲可能量に達したため、野呂道議に頼めば何とかなると考え口利きを依頼。野呂道議が奥野被告に電話で善処を依頼した。野呂道議も検察側に対し「口利きを頼まれてやった」と話しているという。
奥野被告は「漁協救済のためにやっており不正はしていないが、金は(有利な取り計らいをした)謝礼という認識で受け取った」と起訴事実を大筋で認めた。そのうえで「公務員としての自覚が足りず、深く反省している」などと述べた。
起訴状などによると、奥野被告は国や道が魚種ごとに年間の漁獲管理量を定めたTAC制度で、道内の配分について指導・管理する道漁業管理課長の立場を悪用。森漁協組合長らの依頼を受け、漁協の漁獲配分を増やす見返りに05年4月27日、JR札幌駅構内の飲食店で現金120万円をわいろとして受け取った。【佐野優】