点検名目で消火器を回収し、薬剤を詰め替えたと偽って金をだまし取ったとして、埼玉県警生活安全特捜隊と川越署は30日、同県川口市東領家、消火器設備業、田口寛之(38)=覚せい剤取締法違反罪で公判中=▽同、無職、西尾昇(38)=同罪で起訴=の両被告と知人の同、パート、今野あゆみ(28)、同、品田幸子(31)の両容疑者の計4人を詐欺容疑で逮捕した。
県警によると、田口容疑者らは04年ごろから、関東一円の事業所を訪れて消火器の点検契約を結び、少なくとも約7000万円を得ていたという。薬剤の詰め替え料が大半を占めるが、実際にはほとんど交換していなかったとみられる。
調べでは、田口容疑者らは昨年3月と9月、同県川島町と川口市の事業所の消火器計15本を回収し、薬剤を詰め替えずに代金計約16万円をだまし取った疑い。4人は「さいたま協和防災」「大和プロテック」などと複数の社名を名乗り、女が事業所に電話し、田口、西尾の両容疑者が訪問していた。割高な料金を不審に思った顧客の問い合わせにも「契約済だ」などと強引に代金を徴収していた。
消火器の悪質点検商法は、約20年前から被害報告があるが、薬剤を詰め替えなかったことに詐欺容疑を適用するのは初めてという。県警が昨年11月、消防法違反の疑いで東京都足立区の4人の倉庫などを家宅捜索したところ、消火器に充てんする窒素のボンベ機材がなかった。薬剤の仕入れもほとんどなかった。【山崎征克、小泉大士】