ニューヨーク(ウォール・ストリート・ジャーナル)一部の投資家は、特売品に殺到する買い物客のように小売り株を物色し始めている。
”アクティビスト”投資家(行動する投資家)のネルソン・ペルツ氏は自身の運営するトライアン・ファンドを通じ、貴金属・宝飾品大手ティファニー(NYSE:TIF)の株式の保有比率を5.6%から7.9%まで高めた。そのほとんどは今年に入ってから買い増したもの。リチャード・ブリーデン氏は宝飾品小売り大手ゼール(NYSE:ZLC)の株を買い増し、テキサス州アービングに本拠を置く同社の取締役に就任した。業績が悪化しているシアーズ・ホールディングス(Nasdaq:SHLD)やターゲット(NYSE:TGT)の株式を保有するウィリアム・アックマン氏は、株式スワップを通じてターゲットへのエクスポージャーを高めた。このスワップによって、実際に株式を保有することなく、株式から利益を得たり、損失を被ったりすることになる。
アイスランドの大手小売り企業、ボーガー・グループおよび同社会長は、高級百貨店大手サックス(NYSE:SKS)の株式を8.5%保有しているが、会社全体の買収に向けて準備を進めている。
著名投資家カール・アイカーン氏は1月14日の業界夕食会で、株価が続落する中での小売り株投資の魅力について語った。ただ同氏は、自身のタイミングはやや外れている可能性があることを認めている。同氏はインタビューで「私は経済見通しについて強気なわけではない。景気が改善する前にさらに大きく悪化する可能性があることは確かだ」と述べ、特に小売り株は上昇する前に「下落する」可能性があると付け加えた。
バーリントン・キャピタル・グループとクリントン・グループは29日、米証券取引委員会(SEC)に提出した書類で、米大手百貨店ディラーズ(NYSE:DDS)の株式を5.32%取得したことを報告した。中間市場を対象とするディラーズは、過去半年で株価が30%超下落している。バーリントンは同社を批判し、改革を要求している。サンフォード・バーンスタインは先週、小売り株のパフォーマンスが過去3年間、市場全体を下回っていると指摘、米国小売りセクターの投資判断を「ホールド」から「バイ」に当たる水準に引き上げた。
米百貨店チェーン大手のメーシーズ(NYSE:M)やJCペニー(NYSE:JCP)を含む小売り株の多くは先週上昇した。投資家が買っている理由のひとつは、今までほかのセクターの銘柄よりも売りたたかれたことがある。
高級皮革製品・アクセサリーのコーチ(NYSE:COH)やターゲットを含む一部小売業者の予想株価収益率は、過去最低水準の近くにある。小売企業は多くのキャッシュフローを生む傾向があり、一部企業は魅力的な不動産を保有している。
燃料費の上昇、住宅市場落ち込みの余波、雇用不安や所得の低迷を理由に、消費者は少なくとも今年上期は消費を抑えると見込まれる。もし景気後退が現実のものとなれば、小売企業の株価も下落するとみられる。
(1月30日付のHeard On The Streetより)