バレンシアは29日、体調を崩しているソレール会長の健康状態に回復の兆しが見えないことから、新たに副会長3名を任命し、スポーツ部門の決定権を当面の間ラファエル・サロム副会長に一任することを決めた。そのサロム副会長は早速、モリーニョ氏招へいのうわさについて否定した上で、「クーマン監督に全幅の信頼を置いている」とコメントした。
しかし、30日に行われる国王杯のアトレティコ・マドリー戦で敗退となれば、クーマン監督の解任は規定路線とも言われている。28日には、前節のアルメリア戦での敗戦(0−1)を受けて、サロム副会長がソレール会長の自宅に招かれて複数の幹部とともに極秘会談を行っている。アルメリア戦後の会見で「辞任は考えていない」と強気の姿勢を崩さなかったクーマン監督だが、既に会長以下、クラブ幹部との距離は日増しに遠ざかっているようだ。
地元紙『ラス・プロビンシアス』のウェブサイトのアンケートでも、「クーマン監督の辞任を今すぐ要求する」という回答が65%を超えており、数週間前まで8割以上もあった熱狂的な支持率がうそのようだ。世論の声に左右され、これまでも一貫性のない決定を下してきたバレンシア。だが、ここに来て制度部門の決定権を握ることになったアグスティン・モレラ副会長は、「クラブとしてはキケ前監督の続投を願っていたが、ファンの解任要求によってクラブを去った。今はクーマン監督の続投を願っている」と発言している。アルメリア戦の後半には「クーマン、出ていけ」のコールが出ていることから、また歴史が繰り返される可能性は高い。
一方で1月に入り、サロム副会長がソレール会長に招へいされたことで、ルイスSD(スポーツ・ディレクター)の解任も間近とのうわさが出ている。実質、1月の補強についてはクーマン監督とサロム副会長の2頭体制で行われており、ここ数週間ルイスSDは公の場に姿を現していない。28日に行われたソレール会長宅での極秘会談では、クーマン監督の去就やチームの現状についての話がメーンテーマだったにもかかわらず、ルイスSDは呼ばれていなかったという。
今のところ、ソレール会長自身は辞任の意思がないようで、副会長3名を隠れみのに当面は背後で事態を静観することになる。サロム副会長の幹部就任についても、彼がレバンテの元副会長を務めていることから、地元では大きな反発がある。クーマン監督は先日も「これはプロジェクト。2、3カ月で監督の座が奪われることはない」と発言しているが、今のバレンシアでは数試合、数週間でプロジェクトが変わってしまう。最近のクーマン監督は周囲からのプレッシャーからか、会見で声を荒げる場面も目立ち始めている。昨年12月にアルベルダら3選手に構想外を告げた際には、その前夜にソレール会長の自宅に招かれ極秘会談を行っていたクーマン監督とルイスSD。だが今は、そのお呼びさえもかからなくなってしまったようだ。
-IchiroOzawafromSpain-