参加方法新着ニュース


流し読みニュース > 記事 “気泡で冷却”がPCの排熱問題を解決!?(@IT)
この記事から振り仮名をはずす
*“きほうでれいきゃく”がPCのはいねつもんだいをかいけつ!?(あっとIT)*

“気泡で冷却”がPCの排熱問題を解決!?(@IT

30日(水)19時18分



*
 三菱電機みつびしでんきは1がつ30にち、ポンプレス水冷すいれいシステムが抱えかかえていた課題かだい解決かいけつし、世界せかい初めてはじめて実用じつようてきなシステムを開発かいはつしたと発表はっぴょうした。電力でんりょくなど動力どうりょく不要ふよう機械きかい駆動くどうがなく、メンテナンスも不要ふよう信頼しんらいせい高いたかいという。

 試作しさくした冷却れいきゃくシステムは、従来じゅうらいのポンプしき水冷すいれいシステムより20ぱーせんと程度ていど小さいちいさい50×ばつ100×ばつ25センチで、10kWの冷却れいきゃく性能せいのう持つもつという。電力でんりょく設備せつび通信つうしん情報じょうほう設備せつび鉄道てつどう交通こうつうインフラへの適用てきよう皮切りかわきりに、小型こがた軽量けいりょう進めすすめ、パソコンや家電かでん製品せいひんなどにも応用おうようしていく考えかんがえだ。

●ノートPCやPS3で使わつかわれるヒートパイプの原理げんり

 ノートPCや家庭かていようゲームのケースを開けるひらけると、CPUやGPUといった高熱こうねつ発するはっするデバイスに対してにたいして赤銅しゃくどういろのパイプが取り付けとりつけられていることがある。素材そざいどう使わつかわれることが多いおおい“ヒートパイプ”だ。CPUなどで発生はっせいしたねつすうセンチからじゅうすうセンチほどヒートパイプで運びはこび放熱ほうねつフィンと空冷くうれいファンでねつ外気がいき逃がすにがす

 ヒートパイプは中空ちゅうくう構造こうぞうになっており、内部ないぶには液体えきたい適量てきりょう封入ふうにゅうされている。一般いっぱん気圧きあつ低くひくく設定せっていされており、封入ふうにゅう液体えきたい設計せっけいとき定めさだめられた温度おんど沸騰ふっとうし、蒸気じょうきとなってねつ高速こうそく運ぶはこぶ。吸熱蒸発じょうはつした封入ふうにゅう物質ぶっしつは、放熱ほうねつかわ再びふたたび液体えきたいとなってねつ放出ほうしゅつする。パイプの壁面へきめんには“ウィック”と呼ばよばれる金属きんぞくメッシュが張り巡らさハリメグラサれており、毛細管もうさいかん現象げんしょうにより液体えきたい再びふたたび吸熱へと戻るもどる

 ヒートパイプは、蒸発じょうはつ蒸気じょうきねつ輸送ゆそう凝縮ぎょうしゅく液体えきたい移動いどうという対流たいりゅうサイクルでねつ効率こうりつよく運ぶはこぶどう程度ていど直径ちょっけいであれば、ねつ伝導でんどうりつ高いたかいどう比べくらべてもすうひゃくばい性能せいのう持つもつ

ねつ輸送ゆそう能力のうりょく優れるスグレル水冷すいれい方式ほうしき気泡きほう駆動くどう

 ヒートパイプは金属きんぞく比べくらべ効率こうりつ良いよいねつ輸送ゆそう可能かのうだが、水冷すいれい方式ほうしき比べるくらべるねつ輸送ゆそう能力のうりょく小さいちいさい液体えきたい比べくらべ蒸気じょうきのような気体きたい容積ようせき当たりあたり潜熱せんねつがきわめて小さいちいさいからだ。また、毛細管もうさいかんりょく弱いよわいりきであるため、重力じゅうりょく逆らっさからっ液体えきたい移動いどうさせるのが難しいむずかしいという問題もんだいもある。水平すいへい方向ほうこう完結かんけつしたノートPCのようなシステムでは問題もんだいないが、かみからしもねつ輸送ゆそう行うおこなう効率こうりつ悪くわるくなる。

 一方いっぽう水冷すいれい方式ほうしきでは冷却れいきゃくみず循環じゅんかんさせるポンプや動力どうりょくげん必要ひつようであるためメンテナンスせいやエネルギー効率こうりつ悪いわるいという問題もんだいがある。そこで、これまでにもポンプを不要ふようとするポンプレス水冷すいれいシステムが研究けんきゅうされてきた。

 ポンプレス水冷すいれいシステムでは、気泡きほう浮力ふりょく駆動くどうりょく変えるかえる具体ぐたいてきには、吸熱沸騰ふっとうした冷却れいきゃくえきなか発生はっせいする気泡きほう駆動くどうりょく使うつかう沸騰ふっとうする液体えきたいをスリットのような構造こうぞうたい挟み込むはさみこむと、気泡きほう上昇じょうしょう合わせあわせ周囲しゅうい液体えきたいにも流れながれができる。こうすることで、ポンプなどの動力どうりょくげん使わつかわず、完全かんぜん閉じとじけいだけでねつ輸送ゆそう行うおこなう水冷すいれいシステムを構成こうせいすることができる。

●ポンプレス水冷すいれいシステムの課題かだい解決かいけつ

 ポンプレス水冷すいれいシステムは2つの課題かだい抱えかかえていた。1つは、その原理げんりじょう放熱ほうねつ必ずかならず上端じょうたん配置はいちする必要ひつようがあり、設置せっち自由じゆう低かっひくかったこと。もう1つは高性能こうせいのう難しいむずかしいというてんだ。

 放熱ほうねつには、気泡きほう冷却れいきゃくえき一緒いっしょ流れ込むながれこむ。そのため、放熱ほうねつ流れるながれる冷却れいきゃくえき流動りゅうどう抵抗ていこう大きくおおきくなっており、放熱ほうねつ面積めんせき大きくおおきくするための経路けいろ微細びさい難しいむずかしい

 三菱電機みつびしでんきは、内部ないぶねつ交換こうかん設置せっちすることにより、こうした課題かだい解決かいけつした。蒸気じょうきとなって上昇じょうしょうした気泡きほうは、ねつk交換こうかん呼ばよばれる部分ぶぶん凝縮ぎょうしゅくさせる。液体えきたい気体きたい混合こんごうした状態じょうたい高温こうおんえきが、液体えきたいのみの高温こうおんえきとなって放熱ほうねつへと移動いどうする。高温こうおんえき放熱ほうねつ冷却れいきゃくふうなどによって冷やさひやされ、再びふたたびねつ交換こうかんへと循環じゅんかんする。ねつ交換こうかん戻っもどっ低温ていおんえきは、おも気泡きほう凝縮ぎょうしゅくするさい発生はっせいするねつ吸収きゅうしゅうして、再びふたたび吸熱へと循環じゅんかんする。

 従来じゅうらいのポンプレス水冷すいれいシステムと異なりことなり放熱ほうねつには高温こうおんえきだけが送らおくられるため、細管さいかん用いもちい高性能こうせいのう放熱ほうねつ利用りようできるようになった。また、液体えきたいのみによるねつ輸送ゆそう行えるおこなえるため、設置せっち自由じゆう増しましたほか、すうじゅうメートルのねつ輸送ゆそう可能かのうになる。

 こうした特性とくせいのため、ポンプレス水冷すいれいシステムを都会とかいのヒートアイランド現象げんしょう対策たいさく生かすいかすというアイデアも、研究けんきゅうレベルではあるという。地下ちか7メートル程度ていどまで掘り進むほりすすむと、土壌どじょう温度おんどが、その土地とちの1ねん通しとおし平均へいきん気温きおんとなる。7メートルより浅いあさい部分ぶぶん季節きせつによる温度おんど変化へんか繰り返すくりかえすが、それより深いふかいところでは土壌どじょう温度おんど一定いっていだ。

 7メートルの地表ちひょう断熱だんねつそうとして考えかんがえ、それより深いふかい地下ちかにまでねつ運べはこべば、地中ちちゅうねつ蓄えたくわえられる。夏期かき高熱こうねつとなった路面ろめんから地中ちちゅうねつ運びはこび冬期とうきには凍結とうけつ対策たいさくとしてねつ取り出すとりだすというアイデアだ。いったん設置せっちすればメンテナンスが不要ふよう電力でんりょく使わつかわない。

電鉄でんてつけい中心ちゅうしん事業じぎょう小型こがた視野しや

 三菱電機みつびしでんきでは2、3ねんのち導入どうにゅう目指しめざし電力でんりょく設備せつび交通こうつう設備せつびへの販売はんばい計画けいかくする。「まずは事業じぎょうとして軌道きどう乗せるのせることが先決せんけつ電鉄でんてつけい中心ちゅうしん販売はんばいしていき、小型こがた進めすすめ適用てきよう範囲はんい広げひろげていく」(三菱電機みつびしでんき先端せんたん技術ぎじゅつ総合そうごう研究所けんきゅうしょ機械きかいシステム技術ぎじゅつねつ流体りゅうたい騒音そうおんグループ専任せんにんいち法師ほうし茂俊しげとし)という。小型こがたについては「実際じっさい研究けんきゅうしていくじゅう課題かだい見つかっみつかっていくものと思うおもう」としながらも、「冷却れいきゃく装置そうち本来ほんらいたれ使いつかいたいものではないため、小さけれちいさけれ小さいちいさいほどいい」と話しはなし、ノートPCやモバイル端末たんまつなど小型こがたデバイスへの適用てきようにも意欲いよく見せみせた。

関連かんれん記事きじ

冷却れいきゃくファンに“植毛しょくもう”、しずかおんしんアプローチ(あっとITNews)
ひざが熱くあつくならないノートPCが生まれるうまれる――NECがしん材料ざいりょうあっとITNews)
HDDもまとめて冷却れいきゃくするだい4世代せだい水冷すいれいシステム(あっとITNews)
日本にほんHP、デュアルCPUはつ水冷すいれいワークステーション発売はつばいへ(あっとITNews)
*

この記事から振り仮名をはずす
seo