[ワシントン 28日 ロイター] ブッシュ米大統領は28日、一般教書演説を行い、任期最後の1年間に取り組むべき課題は山積していると述べたが、一部の重要な課題は次期大統領に委ねられようとしている。
大統領は一般教書演説で、景気対策の早期成立と無駄な歳出の削減を求める姿勢を強調した。一方、外交政策では、2002年の一般教書演説で「悪の枢軸」と避難した北朝鮮への言及がなかった。
次期大統領には、イラク戦争の展望を示し、対イラン関係のかじ取りを行い、さらにパキスタンなどの国々の政治的混乱に対処するという難題が残される。
さらに国内問題では、悪化する財政見通し、住宅ローン市場の混乱および信用危機が米経済に及ぼす影響、医療費の膨張などの問題が、次期大統領の就任後すぐに立ちはだかることになる。
ブルキッングス研究所のウィリアム・ガルストン氏は「次期大統領は国内外の両方で困難な問題に直面することになる」と指摘した。
より広範なレベルでは、ブッシュ政権に批判的な人々の多くが、次期大統領の優先課題は世界に対する米国のイメージを回復させることだと考えている。
ただ、テキサス大学の政治学教授、ブルース・ブキャナン氏は「これらの問題はどれも簡単に解決できるものではない」と述べた。
<変革>
11月の米大統領選に向けた各党の候補指名争いが繰り広げられるなか、「変革」がキーワードとして浮上している。
クリントン、オバマ、エドワーズの各民主党候補の間では、ブッシュ大統領の政策に反対する姿勢を示すことが共通点となっている。
これら3候補は、イラク駐留米軍の迅速な撤退、ブッシュ大統領の富裕層向け減税措置の撤回を公約に掲げている。
共和党候補者の多くは、ブッシュ大統領を名指しで批判することを避ける代わりに、レーガン元大統領の業績を強調する作戦を展開している。
政治アナリストはこれについて、ブッシュ大統領の不人気や、米国が進むべき方向をめぐる不透明感の高まりを踏まえると当然のことだと指摘。
世論調査によると、米国民10人のうち7人近くが米国は間違った方向に向かっていると考えている。
ブッシュ大統領は28日の一般教書演説で、1500億ドル規模の景気対策について議会に早期成立を求めたほか、2001年と03年に実施した減税措置の恒久化を要請した。
イラク駐留米軍の早期撤退要求は受け入れず、駐留米軍がイラクの治安回復に寄与しているとして、早すぎる撤退は治安回復の進展を損なう可能性があるとの考えを示した。
(ロイター日本語ニュース CarenBohan記者;翻訳 藤田真木子)