[東京 29日 ロイター] 今通常国会の焦点となっている道路特定財源の暫定税率を5月末まで延長させる「つなぎ法案」を与党が議員立法で提出する方針を示していることに対し、暫定税率廃止を掲げる民主党は対決姿勢を鮮明にしており、衆参両院の同意が必要となる日銀総裁人事への影響を指摘する声も出ている。
道路特定財源の暫定税率の存廃問題をめぐって与野党間の歩み寄りにメドが立たないなか、与党は「万一の場合の手立てが必要」(伊吹文明・自民幹事長)として「つなぎ法案」を今夕にも提出する見通しだ。これに対して暫定税率廃止をめざす民主党は、委員会審議を拒否する姿勢を示しており、与野党間の対立が激しさを増している。
こうした中で、今国会のもう一つの焦点となっている日銀総裁人事について、参院第1党として事実上の拒否権を握る民主党からは「全面対決という構図の中では、全く関係ないとはいい切れない」(関係者)との声も聞かれ、3月19日に任期満了を迎える福井俊彦総裁の後任人事に、「つなぎ法案」を巡る与野党間の衝突が飛び火する可能性が出てきた。
政府は総裁候補として武藤敏郎副総裁を軸に検討を進めているもようだが、財金分離の観点などから民主党内には依然として難色を示す声があり、環境としては野党の反対により不同意となる可能性が高まりやすいという。
もっとも、米サブプライムローン(信用度の低い借り手向け住宅融資)問題を背景とした金融市場の混乱が続き、世界・日本経済の先行きに不透明感が強まる中で、日銀総裁空席という事態は避けたいとの認識にも変わりはないと見られ、「政府の出してくる案を全て拒否するという考えも持たない」(同)との声もある。
(ロイター日本語ニュース 伊藤純夫記者)