[東京 29日 ロイター] 日本郵船<9101.T>は29日、2008年3月通期の連結営業利益見通しを従来の1820億円から前年比90.6%増の2000億円に引き上げると発表した。
引き続き新興国向けなどで荷動きが活発化しており、海運市況上昇の恩恵を享受する格好となっている。
この予想値は、ロイターエスティメーツによる主要アナリスト11人の予測平均値1797億円を上回った。
北米景気減速の影響から物流部門の予想を15億円減額修正したものの、海運部門は定期船で15億円、不定期船で180億円それぞれ見通しを増額。特に不定期船は第3・四半期(10─12月)にドライバルク市況が記録的な上昇となったことが収益にそのまま貢献する。鉄鉱石、穀物、鋼材、セメントなどのドライバルク部門は、新興国を中心に荷動きが活発化しているという。
ただ、足元の市況は、ばら積み船運賃の総合指数であるバルチック海運指数が、昨年後半の最高値から直近は半値近辺まで急落するなど軟化している。
これについて同社の五十嵐誠常務は決算発表の席上、「現在は、自然災害による港湾設備の被害や、鉱山会社再編の思惑などから市況が不安定になりやすい状態。昨年の高値は異常値であり、その反動もある」としたうえで、「下落は季節調整の一部であり、いずれ反騰に向かう」との見方を示した。
また、今後については「中国の資源需要は変わっておらず、ファンダメンタルズから大きく(市況の)トレンドが変化するとは考えにくい」と指摘していた。
直近の市況下落が収益に及ぼす影響に関して五十嵐常務は「3月末までの契約分については現段階で価格、コストともに決定しているため、通期の見通しに影響することはない」と語った。