ニューヨーク(
ウォール・ストリート・ジャーナル)
米通信大手ベライゾン・コミュニケーションズ(NYSE:VZ)が28
日発表した10
−12
月期決算は、
携帯電話サービスの
契約者数が
伸びたことが
奏功して3.9
%増益となり、
市場予想と
一致した。
同社はまた、
米景気鈍化が
同社事業に
及ぼす影響について
懸念を
払しょくしようと
試みた。
10
−12
月期の
携帯電話サービスの
個人契約者はほぼ190
万人の
純増となった。
大半のアナリスト
予想を
上回った。
先週には
同業のAT&T(NYSE:T)も10
−12
月期決算で
携帯電話事業の
力強い成長を
示しており、
米経済鈍化によって
消費者が
携帯電話への
支出削減を
余儀なくされるとの
懸念を、こうした
数字が
和らげる可能性もある。
ベライゾンは、
全体として
景気鈍化による
打撃はみられていないとした。
固定通信とインターネット
関連事業が
米経済の
不振によって
限定的な
痛みをこうむっているとしたAT&Tとは
一線を
画そうとした。
ベライゾンのドリーン・トーベン
最高財務責任者(CFO)は
同日の
投資家向け電話会見で「1
月を通じて売上高の
見通しに
変化はみられない。
当社の08
年の
見通しや
力強い業績の
達成、
株主価値の
創造に関する能力にわれわれは
非常に
自信を
持っている」と
語った。
英携帯電話サービス
大手ボーダフォン・グループ(NYSE:VOD)との
合弁会社である
米携帯電話サービス
部門ベライゾン・ワイヤレスの
売上高は
前年同期比13
%増の114
億4000
万ドル。
解約率は1.2
%と、
前年同期の1.14
%からやや
上昇した。10
−12
月期の
料金後納・
前納(プリペイド)プランの
契約者は
合わせて200
万人の
純増。
累計契約者数は6570
万人となった。
一方、AT&Tの
携帯電話サービス
累計契約者数は7010
万人。10
−12
月期は270
万人の
純増だった。
10―12
月期の
数字には
弱さもみられた。ベライゾンの
高速インターネット
接続事業の
伸びは
予想を
下回った。
固定通信事業の
売上高も
大半の
予想を
下回った。
10−12月期の純利益は10億7200万ドル(前年同期は10億3200万ドル)、1株利益は37セント(同35セント)。この数字には1株当たり16セントのリストラ費、同27セントの事業売却益などの特別損益が含まれている。こうした特別項目を除いた継続事業ベースの1株利益は62セント(同52セント)。売上高は前年同期比5.5%増の238億4000万ドルとなった。
調査会社トムソン・ファイナンシャルが集計したアナリスト平均予想は1株利益が62セント、売上高が239億6000万ドルだった。売上高が予想をやや下回った。
12月31日時点のブロードバンド接続サービス契約数は前年同期比18%増の820万件。FTTH(光ファイバーを利用した家庭向け高速通信)サービス「FiOS」が寄与した。携帯電話・インターネットサービス事業の売り上げは、ベライゾンやAT&Tなどの電話会社が固定通信での減収の影響を和らげるのに貢献している。
ただ、10−12月期のFiOSの伸びは失望された可能性がある。FiOSへの投資は10−12月期の利益を1株当たり9セント希薄化させた。これは大半の予想を上回った。FiOSを通じたテレビ配信サービス「FiOS TV」の契約は22万6000件増え、07年末時点の累計契約件数は94万3000件となった。ベライゾンによると、契約件数は現在、100万件を突破している。
ベライゾンはテレビ、電話、インターネットの一括サービスを提供するケーブルテレビ(CATV)各社に対抗する武器としてFiOSを位置づけている。
今後のEBITDA(利払い前・税引き前・償却前利益)ベースの利益率について、同社は携帯電話サービス事業が43−45%、固定通信事業は30−33%を目標にするとした。
設備投資は07年(175億ドル)を下回る水準を目標としていると述べた。また、人員削減などのコスト削減策を実施する余地があるとした。
10−12月期には11億ドル強相当の自社株を買い戻した。トーベンCFOは、現在の株価水準では同社が「自社株買いを続ける」と語った。
ベライゾンの28日終値は前営業日比0.35ドル(0.93%)高の38.11ドル。