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*「Fast-Flux」をりようしたこうどなフィッシングテクニック(TechTarget)*

「Fast-Flux」を利用した高度なフィッシングテクニック(TechTarget)

29日(火)10時48分



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 なんねんぜんまでは、攻撃こうげきものたちは犯罪はんざいてき金もうけかねもうけ計画けいかくかなめとなる重要じゅうようなマシンを1だいか2だいしか持っもっていないのが普通ふつうだった。このため、悪党あくとうどもはその犯罪はんざいインフラの1カ所カショあるいは2カ所カショ単一たんいつ障害しょうがいてん抱えるかかえることが多かっおおかった。フィッシング詐欺さぎのWebサイトが排除はいじょされる場合ばあいもあれば、スパマーのメールサーバがブラックリストに追加ついかされる可能かのうせいもあった。またボットハーダー(ボットを操るあやつるひと)の場合ばあい、IRCサーバ(ボットに感染かんせんしたすべてのホストにコマンドを配布はいふする目的もくてき多くおおくのボットネットで使わつかわれてきたサーバ)が停止ていしさせられるかもしれない。

 では、自らみずから築き上げきずきあげ犯罪はんざい帝国ていこくからなんひゃくまんドルもの大金たいきん稼いかせいでいる今日こんにち先進せんしんてきなボットハーダーたちは、こういった単一たんいつ障害しょうがいてんにどのように対処たいしょしたのだろうか――彼らかれら用いもちいたのは「Fast-Flux」という手法しゅほうだ。

 2007ねんなつ以来いらいおお規模きぼなFast-Fluxボットネットが爆発ばくはつてき増加ぞうかした。この手法しゅほう利用りようすれば、悪党あくとうたちはなんせんだいもの「使い捨てつかいすて」のゾンビマシンを利用りようして異なることなるシステムかん素早くすばやく移動いどうすることにより、捜査そうさをくらますことができる。捜査そうさするそばからすれば、追跡ついせきすべきターゲットが絶えずたえず変化へんかするからだ。

●Fast-Fluxの仕組みしくみ

 いちれいとして、データ泥棒ドロボウ大手おおで銀行ぎんこう装っよそったWebサーバを持っもっているというフィッシングのシナリオを考えかんがえてみよう。このマシンを「EvilServer」と呼ぶよぶことにする。IPアドレスは「w.x.y.z」とする。

 攻撃こうげきものはこのにせ銀行ぎんこう顧客こきゃくおびき寄せるおびきよせるために、ユーザーをだまして電子でんしメールで配信はいしんしたリンクをクリックさせようとする。このリンクは、攻撃こうげきものがコントロールするドメインめい関連付けかんれんづけられている。このドメインめいを「www.fakebank.com」としよう(この名前なまえではユーザーをだますことはできないだろうが、そこは大目おおめていただきたい)。

 通常つうじょうのフィッシング攻撃こうげきでは、リンクに含まふくまれる名前なまえ(www.fakebank.com)は、w.x.y.z(EvilServerのアドレス)に解決かいけつされる。このため、ユーザーがこのリンクをクリックすると、EvilServerに直接ちょくせつ接続せつぞくすることになる。しかしFast-Fluxでは、www.fakebank.comはいかなるなりでもEvilServerを参照さんしょうしない。

 というのは、www.fakebank.comに関連かんれんしたDNSサーバは、ラウンドロビンDNSと呼ばよばれる手法しゅほう用いるもちいるからだ。ラウンドロビンDNSは、1つの名前なまえに対するにたいするDNSクエリへの応答おうとうとして多数たすうのIPアドレス(5つ以上いじょう場合ばあい多いおおい)を返すかえすことができる。ラウンドロビンDNSそのものが悪いわるいわけではない。これは複数ふくすうのサーバかん負荷ふか分散ぶんさんするために開発かいはつされた技術ぎじゅつだ。しかし、Fast-FluxはラウンドロビンDNSを悪用あくようしてwww.fakebank.comに対してにたいして複数ふくすう応答おうとう返しかえし、このサイトに複数ふくすうのIPアドレスを対応付けるたいおうづけることができる。これらのアドレスを「a.b.c.d」「e.f.g.h」「i.j.k.l」などと呼ぶよぶことにする。

 そして、ユーザーがwww.fakebank.comというリンクをクリックすると、ユーザーのブラウザはこれらのIPアドレスの1つに対応たいおうしたWebサーバに接続せつぞくしようとする。しかし、これらのアドレスに対応たいおうしたマシンは実際じっさいにはボットに感染かんせんしたマシンで、透過とうかかたWebプロキシを動作どうささせている。Webリクエストを受信じゅしんすると、感染かんせんマシンじょう動作どうさしているかくWebプロキシはw.x.y.zにあるEvilServerにリクエストを送信そうしんする。

 だがそれだけでは終わらおわらない──何しろなにしろこの手法しゅほうは「Fast-Flux」(急速きゅうそく流転るてん)と呼ばよばれているのだ。攻撃こうげきものはラウンドロビンDNSレコードのTTL(TimeToLive)を非常ひじょう小さなちいさなあたい設定せっていできる(DNSのTTLとは、DNSクライアントが廃棄はいきされるまでの、レコードない保持ほじされる時間じかん示すしめす)。悪党あくとうがFast-Fluxを利用りようすれば、DNSレコードを素早くすばやく時間切れじかんぎれにできる(TTLが3から10設定せっていされることが多いおおい)。それだけでなく、彼らかれらはプロキシとして機能きのうするほかのボット感染かんせんマシンのIPアドレスを使っつかって、新しいあたらしいDNSエントリを絶えずたえず追加ついかするのだ。

 DNSとプロキシを利用りようしたこのは、捜査そうさいんがEvilServerを見つけるみつけるのを難しくむずかしくする。例えばたとえばa.b.c.dというIPアドレスにあるマシンを停止ていしするようかくISPに要請ようせいしても、それはWebプロキシが動作どうさしているユーザーの感染かんせんマシンであり、実際じっさいにせ銀行ぎんこうではない。

 捜査そうさいんがISPを説得せっとくしてa.b.c.dへのトラフィックを遮断しゃだんさせたとする。しかし、かれがそのリンクを再びふたたびクリックすると、今度こんどはe.f.g.hに移動いどうし、にせ銀行ぎんこうがまだそこに存在そんざいすることを知るしるのだ。捜査そうさいんはもぐらたたきのように多数たすうのプロキシを次々つぎつぎとつぶしていくことはできるが、悪党あくとう短いみじかいTTLでIPアドレスを補充ほじゅう続けつづけ、これらのアドレスを順番じゅんばんにwww.fakebank.comという名前なまえ割り振るわりふるのだ。

 それならば、捜査そうさいん悪党あくとうがwww.fakebank.comの名前なまえ解決かいけつ用いもちいているDNSサーバを停止ていしさせればいいのではないだろうか。しかし、こういった停止ていし要求ようきゅう無視むしする企業きぎょう提供ていきょうしている商用しょうようDNSサービスを利用りようしている悪党あくとうもいる。それに、Fast-Fluxを利用りようする攻撃こうげきものは、サイバー犯罪はんざいほう甘いあまい(あるいは存在そんざいしない)こくのISPを選ぶえらぶものだ。また、攻撃こうげきものたちはそのドメインに対してにたいして権威けんい持つもつDNSサーバを絶えずたえず変えるかえるようにFast-Flux手法しゅほう工夫くふう加えくわえたりしているのだ。

●エンタープライズ環境かんきょうでのFast-Flux攻撃こうげき調査ちょうさ

 大抵たいてい企業きぎょうは、自社じしゃに対してにたいしてFast-Flux手法しゅほう使わつかわれているかどうかなど知るしる必要ひつようはない。フィッシングおよびボット全般ぜんぱん対処たいしょするだけで十分じゅうぶんだ。すなわち、以下いかのような対策たいさく講じれこうじればいいのだ。

不正ふせいなリンクをクリックしないようユーザーを教育きょういくする

・パッチおよびウイルスシグネチャを更新こうしんする

・ファイアウォールを出入りでいりするネットワークトラフィックを制限せいげんする

 とはいえ、Fast-Flux攻撃こうげき手法しゅほう用いもちいられている可能かのうせいをどうしても調べしらべたいのであれば、その方法ほうほう幾ついくつ紹介しょうかいしよう。「DNSstuffTools」にアクセスし、フィッシングメールのURLを「Deobfuscator」フィールドにペーストする。このシンプルなWebアプリケーションは、不自然ふしぜんにエンコードされたURLを人間にんげん理解りかいしやすいURLに変換へんかんする。

 に、変換へんかんによって明確めいかくにされたURLからドメインめい取り出しとりだし、それに関連かんれんしたIPアドレスを調べるしらべる。これにはDNSstuffの「DNSLookup」オプションを利用りようすればいい。もし多数たすうのアドレスレコード(「A」レコード)がまったく同じおなじ名前なまえ対応たいおうしていれば、何らかのなんらかのなりのラウンドロビンDNSが利用りようされている可能かのうせい高いたかいということだ。また、TTLフィールドも調べるしらべること。600(10以下いか低いひくいあたい設定せっていされていれば怪しいあやしいといえる。しかし、正規せいき銀行ぎんこうでもラウンドロビンDNSと短いみじかいTTLを使用しようしている場合ばあいがある。Fast-Fluxが使用しようされているかどうか確認かくにんするには、10のち再度さいどDNSLookupを行いおこない、まったく新しいあたらしいアドレスレコード/IPアドレスのセットが表示ひょうじされるかチェックすればいい。

 WindowsにはDNSレコードを分析ぶんせきするためのツールが組み込まくみこまれている。このツールを使うつかうには、マシンのDNSキャッシュにドメインめい読み込まよみこませる。これには、ドメインめいに対してにたいしてpingを実行じっこうする(例えばたとえば、「pingwww.fakebank.com」という具合ぐあいだ)。

 DNSキャッシュにレコードを読み込まよみこませたら、「ipconfig/displaydns」コマンドを実行じっこうしてレコードを表示ひょうじさせる。キャッシュにはかくドメインレコードのTTL含まふくまれているはずだ。このコマンドを1から2びょうごとに繰り返しくりかえし実行じっこうすれば、TTL減少げんしょうするのが分かるわかる分析ぶんせき焦点しょうてん絞るしぼるためにエントリを消去しょうきょするには、「ipconfig/flushdns」を実行じっこうする。次につぎに目的もくてきのホストに再びふたたびpingを実行じっこうしてそれをキャッシュに読み込まよみこませたじょうで、「ipconfig/displaydns」を実行じっこうする。

 レコードのTTLが小さなちいさなかずであれば、そのIPアドレスを記録きろくしたのち、レコードが時間切れじかんぎれになるまで待ちまち再びふたたびターゲットに対してにたいしてpingを実行じっこうする。キャッシュないのIPアドレスが絶えずたえず変化へんかするようであれば、Fast-Flux環境かんきょう遭遇そうぐうした可能かのうせいがある。

 さらに詳しくくわしく調べるしらべるには、「DNSstufftools」サイトに戻りもどり、そこにある「Whois」検索けんさくツールを利用りようする。Whois検索けんさく必ずしもかならずしも正確せいかくとは限らかぎらないが、所与しょよのドメインめいやIPアドレスに関連かんれんした人々ひとびと場所ばしょ組織そしきに関するにかんする情報じょうほう提供ていきょうしてくれる。

 Whoisツールにドメインめい入力にゅうりょくし、きちんとした結果けっか返さかえされるかどうか確認かくにんする。信頼しんらいできる組織そしきに対してにたいして古くふるくから登録とうろくされているドメインめいなのか、それとも多くおおく信頼しんらいできる銀行ぎんこうをホスティングしているというはなし聞かきかない遠いとおいくに企業きぎょうに対してにたいして最近さいきん登録とうろくされたドメインめいなのか、といったことをチェックするのだ。「ipconfig/displaydns」のIPアドレスにWhois検索けんさくをかけることもできる。コンシューマーを対象たいしょうとしたISPに関連かんれんした多数たすうのエントリが見つかっみつかっ場合ばあいには、これらのシステムはISPのネットワークじょうでボットに感染かんせんしたホストである可能かのうせい高いたかい。ボットネットの可能かのうせいがある場合ばあいは、ISPに報告ほうこくするか、新たあらたなフィッシング攻撃こうげき強いつよい関心かんしん抱いだいているAPWG(Anti-PhishingWorkingGroup)に報告ほうこくすべきだ。

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