福島県いわき市が約225億円を投じて建設したごみ焼却施設、市南部清掃センターの工事入札をめぐり、住民6人が「談合で落札額が高くなり、市が損害を被った」として、受注業者の三菱重工業に対し、約70億円の損害賠償金を市に支払うよう求めた訴訟で、福島地裁は28日、建設費の約5%に当たる約11億2800万円と遅延損害金の支払いを同社に命じる判決を出した。
森高重久裁判長は「地方自治体の焼却施設建設では、大手5社を中心に少なくとも1994年から98年まで談合が継続的にあり、いわき市でも7社が談合した」と認定。いわき市の対応についても「公正取引委員会の排除勧告などで談合があったことは明らかなのに、市は賠償金請求を怠った」と指摘した。
焼却施設談合をめぐっては、公取委が99年、三菱重工業など5社に排除勧告を出したが、業者側は拒否。5社が勧告の取り消しを求めた訴訟の審理が東京高裁で続く一方、公取委は昨年3月、5社に独禁法に基づく課徴金納付を命じた。いわき市と同様の住民訴訟も全国で相次ぎ、一審では今回の判決も含め、建設費の5―7%の賠償を命じる10件の判決が出ている。
原告の1人、いわき市の無職滝沢隆さん(77)は判決後、「大企業の価格操作で税金が無駄に使われた。企業倫理を守ってほしい」と語った。三菱重工業は「主張が認められず残念。控訴するかは今後検討する」、いわき市は「住民側と三菱重工業双方の動向を見極めながら適切に対応したい」とのコメントを出した。