[ダボス(スイス) 27日 ロイター] 世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)では、政財界関係者から、金融機関の追加損失への懸念や米景気対策をめぐる不透明感を背景に、金融危機が今後さらに悪化する恐れがあるとの声が相次いだ。
米シティバンク<C.N>のローデス会長はロイターとのインタビューで「金融システムが落ち着くまでしばらく時間がかかる。野球で言えば5回だ」と発言。
メリルリンチ<MER.N>のセイン会長も「金融と市場の正常化にはしばらく時間がかかる」とし、米住宅問題は今年も悪化する公算が大きく、利下げや大規模な財政出動を行っても、景気の下振れ圧力を相殺できない可能性が高いの見方を示した。
メリルの追加損失計上の可能性については、懸念していないと述べた。
福田康夫首相は、米サブプライムローン(信用度の低い借り手向け住宅融資)問題などを背景に世界経済の下方リスクが高まっていると指摘。
「現状を過度に悲観する必要はない」としながらも「緊急に対応する意識をもって、各国が必要な対策をとる必要がある」と強調した。
世銀のゼーリック総裁は、金融市場では先行き不透明感が強く、世界経済への影響もまだはっきりしないとし、「一部の企業は、多額の損失計上を迫られるだろう。事態が完全に沈静化したとは考えていない」と述べた。
オランダのラボバンク[RABN.UL]のヘーンスケルク最高経営責任者(CEO)は「特に欧州では、かなりの数の金融機関が(クレジット市場の混乱に)巻き込まれており、まだ最悪期を迎えていない。欧州金融機関に必要な損失計上については、まだ情報が行き渡っていない」と述べた。
メリルのセイン会長は、クレジット市場の問題が個人消費セクターに波及しつつあると主張。資本市場が混乱前の水準に回復することは目先ないだろうと述べた。
米JPモルガン・チェース<JPM.N>のダイモンCEOは「米国では住宅バブルが発生し、バブルが崩壊して、サブプライムが最初の犠牲者となった」としたうえで、「今後、自然に治癒していくだろう。もう半分程度は治ったと考えている」との見方を示した。