[東京 28日 ロイター] 金融庁の佐藤隆文長官は28日の定例会見で、トヨタ<7203.T>やソニー<6758.T>など大手企業6社の株式の51%を取得したとする虚偽の大量保有報告書が川崎市の会社から提出された問題で、再発防止や取引時間中に開示された場合の危機管理の対応を検討するチームを立ち上げることを明らかにした。
メンバーは金融庁だけでなく、取引所や発行会社、システムなどの関係者から選定する。
金融庁の検討チームは「これから立ち上げのタイミング考えていく」という。検討のテーマは「虚偽報告があったときに相場が開いている場合、迅速な連絡体制が大事だ。取引停止のアクションを取引所でとるケースがひとつの例として考えられる」と指摘。ただ、佐藤長官は、大量保有報告書の提出の事前チェックについては「開示の迅速性の観点から難しい。海外の事例でも、事前に時間をかけて審査するケースはあまりない」との認識を示した。
虚偽の大量保有報告書は、川崎市の「テラメント株式会社」が25日午後4時過ぎに提出し、金融庁の開示システム「EDINET」を通じて公開された。佐藤長官は、虚偽報告の市場への影響について「海外取引所を含めてヒアリングを行ったが、現時点で影響を及ぼしたとの報告は聞いていない」とした。
<虚偽記載の刑事告発、法令に従って対応>
金融庁は27日午前、テラメント対して聴聞を行った上で大量保有報告書を虚偽と認定し、同日午後に訂正命令を出した。28日が提出期限だが、夕方までに訂正報告書は出されていない。テラメントの山口滋代表取締役は28日午後、ロイターの取材に対し「間違いがあるなら訂正するが、まだ間違いかどうかは分からないので訂正する理由はない」と語っている。山口代表によると、テラメントは資本金1000円で昨年11月に設立。従業員は同氏だけという。
虚偽記載は懲役5年以下、罰金500万円以下の刑事罰となる。また、これとは別に、訂正命令に従わなかった場合も刑事罰の対象となる。佐藤長官はテラメントの刑事告発について「法令に則って適正に対応していく」とした上で、「起きた事象の社会的広がりや重要性、行われた行為の悪質性を踏まえる」とした。一方で「民間人を刑事罰に処する重要性も併せて考える」との見解を示した。
<金融機関のサブプライム損失、適切な価格評価が重要>
大手銀行の第3・四半期決算発表を前に、国内金融機関の12月末のサブプライムローン(信用度の低い借り手向け住宅ローン)の関連損失については「10月以降はサブプライムに関連する証券化商品の価格が相当下落しているので、(9月末より)評価損が拡大していると推測される」と述べた。
一方で、サブプライム関連損失について「重要なことは、それぞれの金融機関が適切な価格評価を行って、それをリスク管理の中で位置づけていくことが何より大事だ」とした。その上で「そうした各金融機関の取り組みを警戒を怠らず、注意深くフォローしていく」と語った。
(ロイター日本語ニュース 村井 令二記者)