[東京 28日 ロイター] 榊原英資早大教授は28日、ロイターとのインタビューで、2月9日に東京で開催される7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)では、為替はテーマに上がらないのではないか、との見通しを示した。
榊原氏は、その背景に「米欧は日本の円が高くなることを歓迎している」ことがあると説明。「円高への圧力をかけてくることはないだろうが、為替を話題にして、結果として円高が止まるようなことはしない」との見通しを示した。
今後の円相場については「夏までには1ドル=100円を切るだろうと思っている。また、ユーロ/円とか、クロス円のところはかなり急激に円高になる可能性がある」との見方を示したが、依然として実質的な円安水準にあるとして「1ドル=100円で今の日本の企業の競争力に陰りがでることはない」とも付け加えた。
<米国経済は景気後退の可能性>
米サブプライムローン(信用度が低い借り手向け住宅ローン)問題に端を発した金融市場の混乱は、一向に収まる気配をみせない。榊原氏は、この問題が金融保証会社(モノライン)に飛び火するなど新たな問題に発展していることを指摘し「(混乱は)今夏くらいまでには、いろいろな形で続く」との見通しを示した。
米国経済については「1─3月期、4─6月期に景気後退に入る可能性がかなり高まった」として「その影響がそろそろ欧州やアジアにも波及し始めている。欧州やアジアが本格的に調整局面に入ってくるのは4月以降になる」との見方を示した。
<日本は成長率1%を切る可能性も>
世界経済をめぐっては、米経済の減速を中国などの新興国が補い、世界経済は成長を維持できるという「デカップリング(非連動)」が成り立つかどうかで見方が割れている。これについて榊原氏は「これだけグローバルになった経済で、デカップリングなどあり得ない。今なんとなくデカップルしているように見えるのは、ラグがあるから。ある程度のラグを考慮して考えれば、やはり新興国もこの春くらいから米国の景気減速・後退の影響を受けてくる」と指摘。同様に日本経済も影響は免れないとして「今年の成長率が1%を切る可能性はある」との見通しを示した。
(ロイター日本語ニュース 木原麗花記者 志田義寧記者)