[東京 28日 ロイター] クレハ<4023.T>は28日、約60億円を投じて、炭素繊維原糸と断熱材など同原糸を利用した加工製品の生産能力を増強すると発表した。炭素繊維製品は、半導体や薄型テレビ、自動車関連など幅広い産業分野で需要拡大が続いており、今回はこれに対応するのが狙い。
クレハの炭素繊維事業は世界で約60億円の売り上げ規模だが、設備増強により2012年度には約120億円に引き上げる計画だとしている。
設備増強はいわき事業所(福島県いわき市)と、中国・上海で行う。いわきでは、原料となる炭素繊維原糸の生産能力を現行の年産1100トンから09年春までに1450トンに、2012年春までに1800トンに引き上げる。断熱材「クレカFR」と、原糸を短繊維化し、自動車部品や電子部品などに使われる「クレカチョップ」は、12年春までに生産能力を倍増とする。上海では、クレカFRの生産能力を09年春に現行比倍増し、12年春に同3倍への引き上げを計画している。
クレカFRと「クレカフェルト」を断熱材として製造工程で使用する分野として、1)半導体材料のシリコン、2)ディーゼル車用排ガスフィルター、3)工作機械用超硬金属やハイブリッド車用モーター磁性材料、4)液晶・プラズマディスプレー用ガラス、5)ステッパー用レンズなどがある。
クレハは、炭素繊維成型断熱材分野において世界で50%以上のシェアを持つという。