北海道苫小牧市の食肉加工卸会社「ミートホープ」(自己破産手続き中)の偽装牛ミンチ事件で、不正競争防止法違反(虚偽表示)と詐欺罪に問われた元社長、田中稔被告(69)の初公判が28日、札幌地裁(嶋原文雄裁判長)であり、田中被告は「間違いありません」と起訴事実を全面的に認めた。
一連の食品偽装の発端となった事件だけに市民の関心は高く、51席の傍聴席を巡り193人が並んだ。
起訴状によると、田中被告は06年6月〜07年5月、冷凍食品会社「北海道加ト吉」(赤平(あかびら)市)など取引先3社に偽装牛ミンチ約100トンを出荷し、代金計約3900万円をだまし取るなどした。
検察側は冒頭陳述で「ミート社の他商品の粗利益が約3割にとどまるのに、偽装牛ミンチの粗利益は約7割に上った」と、食肉偽装で多大な利益を上げていたことを明らかにした。特に「十勝産牛バラひき肉」(卸値780円)は原価38円で、粗利益率が95%に達していたという。
また、加ト吉関係者が07年5月、別の肉の混入を疑い原料の見直しを示唆。田中被告は「加ト吉の原料は牛だけを使う」と従業員に宣言したが、利益減少を惜しんで方針を撤回し、偽装を続けたことも指摘した。
田中被告が起訴事実を認めたため審理は順調に進む見通し。2月18日に妻の証人尋問と被告人質問、3月5日に論告求刑が行われ結審する予定。【芳賀竜也】