苫小牧市の食肉加工卸会社「ミートホープ」(自己破産手続き中)の偽装牛ミンチ事件で、不正競争防止法違反(虚偽表示)と詐欺罪に問われた元社長、田中稔被告(69)=同市船見町=の初公判が28日、札幌地裁(嶋原文雄裁判長)で始まった。田中被告は起訴事実を認めた。
裁判では、検察側は田中被告が長年にわたって取引先をだまし続けた悪質性を強調、食品偽装事件としては異例の詐欺罪を中心に立証を行う見込み。一方、弁護側は情状酌量を求めるとみられる。
起訴状によると、田中被告は06年5月30日から07年6月19日の計327回、冷凍食品会社「北海道加ト吉」(赤平市)など取引先17社に豚肉などを混ぜた偽装牛ミンチ約140トンを「牛100%」と虚偽表示して出荷。また、06年6月3日から07年5月3日の計14回、取引先3社に偽装牛ミンチ約100トンを出荷し代金計約3900万円をだまし取った。
審理は順調に進む見通しで、2月18日に被告人質問、3月5日に論告求刑が行われ結審する予定。【芳賀竜也】
【ことば】◇ミートホープ事件◇ 07年6月、牛ミンチを使ったコロッケに豚肉が混入していた事実が内部告発などで発覚。羊やカモ、ウサギ肉の混入▽肉の解凍に雨水を利用▽賞味期限切れコロッケを取引先から入手し再包装−−などさまざまな不正も明るみに出た。ミート社の牛ミンチを原料にした商品は、生協やコンビニエンスストア、スーパーを通じて全国で販売され、22道府県の学校給食でも使われていた。