四半世紀以上にわたって祇園の地で営業を続け、今月末で閉館する京都市東山区の「京都クラフトセンター」で、「ファイナルフェア」が31日まで開かれている。センターでの人との出会いをきっかけに、現在の作風を作り上げた作家もおり、運営する協同組合の全64の組合員が長年の感謝を込めて約80点を出展している。
センターは陶磁器や染織、扇子など京都の工芸品を展示・販売してきたが、建物の所有者の意向で立ち退くことになった。
東洋子さん(59)=下京区=は、1983年に協同組合に加盟した。元は金属の上にガラスの釉薬(ゆうやく)を焼き付ける七宝焼に取り組んでいたが、若手組合員らが集まる勉強会に参加し、材料学が専門の大学教授と出会って共同研究したことが土台になり、ガラスの釉薬を同じ素材のガラスに焼き付ける作風を完成させた。
「多くのお客さまと出会いもあり、センターに育ててもらった」と語り、今回は皿や一輪挿し、ランプの傘など15点を出展した。全体がガラスのため光をよく通し、柔らかい色合いの作品が来場者の目を引いている。
他の組合員も陶器や漆器、人形や京扇子のほか、竹製の花かごや北山杉を使ったいす、動物などをかたどった彫金のアクセサリーなどを並べている。
協同組合は「組合員が持っている力を多くの人に見てもらい、祇園の地での有終の美を飾りたい」としている。入場無料。