民間人として
戦後初めて大阪市長に
就任した
元アナウンサーの
平松邦夫市長は19
日、
就任から
丸1
カ月を
迎えた。
少数与党の
市議会で
厳しい運営を
迫られるなか、「
平松カラー」を
打ち出せず、15
日の
定例記者会見では「ずいぶん
長い1
カ月だった」と
漏らした。「
守り」に
徹したスタートとの
見方もあるが、
市の
財政危機はまったなしの
状況のなか、
今後も
就任後初の
当初予算案のとりまとめなど
重要案件が
続く。
就任後1
カ月を
振り返り、
平松市政の
今後を
展望してみた。
▽
平松カラーどこへ
平松市長は
今月10
日、
組織改革案を
打ち出した。
関淳一前市長の
直轄組織だった
市政改革部門を
解体し、
官房、
情報公開機能を
強化した
市長補佐部門を
新設する
内容で、
自らのカラーを
初めて具体化させようとした
構想だ。しかし、それから1
週間もたたない16
日の
市議会決算特別委員会で、この
構想を「
改革が
後退するのではないか」と
市議から
批判され、「この
案にこだわることなく、
検討を
進めていきたい」とあっさり
撤回した。
少数与党のなかで
厳しい議会運営が
続く平松市長の
立場を
象徴する
場面だった。
市議会の
答弁も「
市議会のご
意見をいただきながら…」などと
議会を
配慮した
発言が
目立つ。
2
次破綻(はたん)が
懸念される
第三セクター、
大阪ワールドトレードセンタービルディングなどについて、
従来の
外部委員会のメンバーを
軸に、
再建や
処理策について
検討する
委員会の
設置を
決めたが、
市長選では、
公約の
目玉だった
特定調停の
責任調査は
宙に
浮いたままだ。
▽
求心力は?
市役所内での
求心力はどうだろうか。
平松市長は「
改革のスピードを
緩めるわけにいかない」と
繰り返すが、
水面下では、
関前市長の
改革を
前線で
支えてきた
市幹部を
中心に
前倒し退職の
希望者が
相次ぐなど、
改革の
推進力は
内側から
鈍りつつある。
井越将之副市長の
任期満了を
受けた
来年度以降の
副市長人事についても「
議会対応で
連日突き上げられる
状況では、
現職や
市OBの
有力候補は、
軒並み尻込みしている」(
自民市議)という。
情報と意思決定を市長に一元化するため、関前市長が設けた市の最高意思決定機関、都市経営会議も就任後まだ開かれておらず、市幹部からは「個別の事業について指示がほとんどないので、市政運営方針から推測しながら、予算編成作業を進めるしかない。奇妙な感じだ」との声も漏れる。
▽素人の本領はいつ
平松市長の一番の強みは自らの言う通り「素人」であることだ。
市長になってからの口癖は「何で?」。周りの職員に繰り返し問いかけ、納得がいくまで話を聞く。平松市長は「役所の常識について『何で』と疑問に思う気持ちを忘れたら、僕が市長になった意味がない」と話す。
こうした取り組みが少しずつでも奏功していけば、平松カラーが出始めるかもしれない。しかし、市政改革は待ったなしだ。平成22年度までの現行の市政改革マニフェストを達成しても、市は財政危機からの脱却にはほど遠い。さらに次の市政改革の道筋を示す必要に迫られる。新方針を打ち出すタイミングが遅れれば遅れるほど、市政改革の停滞に直結する。さまざまな批判があるなか、市長としての立ち位置や交渉力、調整力が、今後ますます問われることになりそうだ。
【関連記事】
・大阪市長の給与を10%減額
・当選の平松氏、前途には課題が山積 大阪市長選
・福田大打撃、大阪市長選惨敗…民主“小沢騒動”払拭
・「弱りましたなあ」…大阪府知事選で戸惑う関西財界
・【ルポ大阪府知事選】応援に芸能人は必要か