【パリ=林路郎】江戸時代末期の文久年間(1861〜64年)に建てられた長野県木曽町の民家が、パリの博物館にそっくり移設され、今春にも公開されることになった。
フランス人の女性民俗学研究家が家主から譲り受け、日本企業などの支援を得て実現させたが、これまでに要した年月は35年。今年が日仏修好通商条約の締結から150年となることもあり、研究家は「仏国民に日本の昔の庶民の生活を知ってもらう機会にしたい」と意気込んでいる。
この研究家は、仏国立科学研究所で主任研究員を務めるジャーヌ・コビさん。民家は、木曽町で林業を営む畑中広治さん(53)が所有していた。まだ学生だったコビさんが、日本の民俗に興味を抱き、古い民家が残る長野県開田村(当時)を訪ねたのは約40年前。そこで、畑中さんの父親、正治さん(故人)一家との交流が始まった。