■大御所=クリントン氏、若手=オバマ氏
【ロサンゼルス=松尾理也】米大統領選の民主党候補争いがヒラリー・クリントン、バラク・オバマ両上院議員による一騎打ちの様相を強める中、同党の重要な支持基盤の一つであるハリウッドも、次第に両極化しつつある。もともとハリウッドはクリントン氏の強固な基盤だとされてきたが、オバマ氏へも若手の成功者を中心に支持が集まっている。
リベラルな考え方が強いハリウッドの映画・娯楽業界は、選挙資金の重要な供給源となるため、「ハリウッド予備選」と呼ばれ注目される。今回の民主党候補の中では、クリントン氏が夫のビル・クリントン前大統領の時代からの深いつながりを生かし、もっとも食い込んでいるとされてきた。
クリントン氏支持の姿勢を鮮明にしている主な著名人は、映画監督のスティーブン・スピルバーグ氏、歌手のバーブラ・ストライサンド氏といった大御所を中心に、米プロバスケットボール(NBA)の元スーパースター、マジック・ジョンソン氏、ロックバンド「ボン・ジョヴィ」のリーダーであるジョン・ボン・ジョヴィ氏ら。ダナ・キャラン氏、カルバン・クライン氏といったファッション界の大物にも支持者が多い。
一方、オバマ氏支持の筆頭は、テレビ司会者として圧倒的な影響力を誇るオプラ・ウィンフリー氏。政治的な発言と行動で知られる俳優のジョージ・クルーニー氏らも支持を明らかにしている。
米紙ロサンゼルス・タイムズは、「オバマ氏には現在勢いのある若手スターが集まっているのに対し、クリントン氏は年季の入ったベテランたちが支持する傾向がはっきりしてきた」と指摘。「ここまで選挙戦が過熱すると、スターたちは単に支持を表明するだけではなく、実際に選挙戦に加わって運動するよう求められるかもしれない」と予測している。
ただ、昨年末には「スターの支持表明は実際の投票にはほとんど影響しない」とするセントジョセフ大(ペンシルベニア州)の調査結果も発表された。同調査は「押しつけがましい選挙運動は反感を買う危険性すらある」と指摘する。
しかし、全米最大の票田でありながら、予備選が行われるころには大勢が決していた従来と違い、今回はカリフォルニア州予備選(2月5日)の行方が候補者選びに大きな影響を与える可能性が高い。カリフォルニア州は選挙戦の資金源として重宝されるだけではなく、重要な戦場へと役割を変えつつあり、スターたちの存在もさらに重要性を帯びることになる。
超党派による選挙監視NGO(非政府組織)の「責任ある政治センター」(ワシントン)のマジ・リッチ氏は、「単にスターが支持しているというだけで有権者が投票するとは思わないが、候補に対する関心を高め、動員につなげる効果は絶大だ」と話す。
ロサンゼルス・タイムズとCNNテレビがカリフォルニア州で実施した最新の支持率調査では、民主党はクリントン氏が首位の47%で、2位のオバマ氏に16ポイントの差をつけている。