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*【いどけいど】わしんとん・こもりよしひさ べいだいとうりょうせんでのたいにちせいさく(さんけいしんぶん)*

【緯度経度】ワシントン・古森義久 米大統領選での対日政策(産経新聞

19日(土)8時1分



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 「げん政権せいけんたいにち政策せいさく変えかえないと、次世代じせだい米国べいこくひと日本人にほんじん所有しょゆう工場こうばでみなとこ掃除そうじをすることになる」

 「米国べいこく製品せいひん日本にほん売り込むうりこむにはあめりかぐん部隊ぶたい一緒いっしょ上陸じょうりくさせなければだめだ」

 日本にほんをこんなふうにしゅテーマにしたのは1984ねん米国べいこく大統領だいとうりょうせんでのウォルター・モンデール候補こうほだった。

 民主党みんしゅとうカーター政権せいけんふく大統領だいとうりょうまで務めつとめたモンデールにちあめりか経済けいざい摩擦まさつ激しかっはげしかっ当時とうじ日本にほん製品せいひん米国べいこくないへの洪水こうずいのような流入りゅうにゅう米国べいこく製品せいひん入りいりにくい日本にほん市場いちば閉鎖へいさせい非難ひなんするとともに、共和党きょうわとうレーガン政権せいけんたいにち経済けいざい政策せいさくあますぎるとして糾弾きゅうだんしたのだった。そのころの米国べいこく大統領だいとうりょう選挙せんきょでは日本にほん間違いまちがいなく主要しゅよう争点そうてんだった。日本にほん重みおもみがネガティブななりにせよ、米国べいこくにずしりと迫っせまっていたのだ。

 それから24ねん、いまの大統領だいとうりょうせんでは日本にほん小気味こきみのよいほど論題ろんだいにはならない。ぎゃく一部いちぶ候補こうほ政策せいさく発表はっぴょうでは、これでもか、とでもいうような日本にほん軽視けいし無視むし目立つめだつほどである。

 すでに話題わだいとはなったが、民主党みんしゅとうヒラリー・クリントン候補こうほ外交がいこう政策せいさく論文ろんぶん長文ちょうぶんながらも、にちあめりか関係かんけいにちあめりか同盟どうめいについて、まったくなにも述べのべていなかった。そもそも「Japan」のめい出るでるのはただの2かい、そのうち1かいは「米国べいこくにとって今世紀こんせいき世界せかいでは中国ちゅうごくとの関係かんけいさい重要じゅうようこくかん関係かんけいである」と宣言せんげんした直後ちょくごに「米国べいこくはエネルギーや気候きこう問題もんだい中国ちゅうごく日本にほんとの共同きょうどう計画けいかく進めるすすめるべきだ」というだけにすぎない。

 ヒラリー論文ろんぶんがもういちだけ日本にほん触れるふれるのは「同盟どうめい強化きょうかする」といううなじでフランス、イギリス、ドイツなど欧州おうしゅう諸国しょこくとの関係かんけい強化きょうか訴えうったえ、アジアでは同盟どうめいこくでもないインドをまっさきにあげ、その重要じゅうようせい詳述しょうじゅつしたあと、「われわれはオーストラリア、インド、日本にほんとの協力きょうりょくのさらなる方法ほうほう見いださみいださなければならない」と記すしるす部分ぶぶんだけだった。

 これではどう解釈かいしゃくしても日本にほん軽視けいし、いや無視むし近いちかいといえるだろう。日本にほん単独たんどくへの言及げんきゅうはゼロだからだ。いくら日本にほんがいまの米国べいこく懸念けねん関心かんしん目前もくぜん対象たいしょうにならないとしても、主要しゅよう同盟どうめい相手あいてであり、貿易ぼうえき相手あいてである事実じじつ変わらかわらないのに、である。

 同じおなじ民主党みんしゅとうのバラク・オバマ候補こうほ日本にほん正面しょうめんからは取り上げとりあげていない。同様どうよう外交がいこう雑誌ざっしへの寄稿きこう同盟どうめい関係かんけいについてはもっぱら北大西洋きたたいせいよう条約じょうやく機構きこう(NATO)の強化きょうか訴えるうったえる。そしてアジアに触れふれつぎのように述べるのべるだけだった。

 「中国ちゅうごく台頭たいとうし、日本にほん韓国かんこく自己じこ主張しゅちょう強めるつよめるなかで、わたくしはアジアでの従来じゅうらいこくかん協定きょうていをこえるより効率こうりつてき枠組みわくぐみ形成けいせい努めるつとめる

 日本にほんへのこうした、あまりに希薄きはく言及げんきゅうがいまの米国べいこく国政こくせいでの全般ぜんぱんてきたいにち認識にんしきなのだろうか。

 確かたしか共和党きょうわとうかわ候補こうほたちも日本にほん争点そうてん論点ろんてんにはしていない。しかし外交がいこう政策せいさく全般ぜんぱんでの日本にほん位置づけいちづけとなると、クリントン候補こうほらとはがらりと異なることなる。その差異さいひかりかげのコントラストといえるほどである。このへんが米国べいこく政治せいじ多様たようせいのおもしろさだろう。

 共和党きょうわとうジョン・マケイン候補こうほはクリントン候補こうほらが発表はっぴょうしたのと同じおなじ外交がいこう雑誌ざっしへの寄稿きこう論文ろんぶんで「アジア太平洋たいへいよう世紀せいき形成けいせい」といううなじ設けもうけ、まっさきに日本にほん民主みんしゅ主義しゅぎ推進すいしん実績じっせきをあげていた。具体ぐたいてきには「日本にほんぜん首相しゅしょうはアジア全体ぜんたい広がるひろがる自由じゆう繁栄はんえい』について語っかたった」と称賛しょうさんするとともに、北朝鮮きたちょうせん問題もんだいでは「日本にほん国民こくみん拉致らち」の解決かいけつ重要じゅうようせいをも強調きょうちょうする。

 マケイン候補こうほはさらに変化へんかするアジアでの挑戦ちょうせんへの対応たいおうのカギは米国べいこく同盟どうめいこくとの協力きょうりょく強化きょうかだとして、まただいいち日本にほんをあげる。

 「わたくし日本にほんのグローバル・パワーとしての登場とうじょう国際こくさいてきリーダーシップを歓迎かんげいし、日本にほん礼賛らいさんすべき『価値かちかん外交がいこう』を激励げきれいし、国連こくれん安保理あんぽり常任じょうにん理事りじこく入りいりへの努力どりょく支持しじする」

 同じおなじ共和党きょうわとうのルドルフ・ジュリアーニ候補こうほ同種どうしゅ外交がいこう政策せいさく論文ろんぶんにちあめりか同盟どうめい重要じゅうようせい正面しょうめんから説くとく。「国際こくさいシステムを強化きょうかする」といううなじ欧州おうしゅうやアジアの諸国しょこくとの同盟どうめい関係かんけい効用こうよう強調きょうちょうして、具体ぐたいてき国名こくめいでは最初さいしょ日本にほんをあげていた。

 「米国べいこく日本にほんとの同盟どうめいげんブッシュ政権せいけんでは大幅おおはば強化きょうかされ、アジアの安定あんてい礎石そせきである」

 クリントン候補こうほとはもちろん、オバマ候補こうほとくらべても、ずっと前向きまえむきたいにち認識にんしきである。

 米国べいこく大統領だいとうりょうせんキャンペーンでは日本にほん自体じたい話題わだいにはならないとはいえ、その背景はいけいにあるたいにち政策せいさくのこうした違いちがい知っしっておくことは日本にほんかわとして意味いみがあろう。
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