NHK記者らのインサイダー取引問題で、ニュース原稿の閲覧が制限されている間も、誰でも報道情報端末でタイトルを見られることが18日、分かった。3人のうち1人は、閲覧制限が解除される前から複数回注文していたことも判明。こうしたシステムの“盲点”をついて情報を入手した可能性もあり、NHKの情報管理の甘さが問われそうだ。
3人は情報公開前に1000〜3000株を購入、翌日売却して10〜40万円の利益を得たとみられ、証券取引等監視委員会は、行政処分(課徴金納付命令)を出すことを視野に、調査を進めている。
NHKによると、記者らが外食産業「ゼンショー」(東京都港区)が回転ずしチェーン「カッパ・クリエイト」(さいたま市、いずれも東証1部)の資本提携情報を得たとみられる報道情報端末は、ニュース原稿と扱う順番を画面に表示するシステム。地方から海外にいたるまで約1000台が配置され、5000人が閲覧できる。
ただし、特ダネは一般のニュースと区別し、閲覧を制限。「デスクなど一部の人間しか見れない仕組みになっている」という。関係者によると、4けたの暗証番号で閲覧を制限。番号はその都度、担当記者や経済部など出庫運部のデスクが任意で決めるため、現場に携わるごく一部の者しか原稿内容を見られない仕組みになっている。
しかし、閲覧が制限されていても、限られた文字数で簡単な内容を示すタイトルが表示され、誰でも見られるため、事情に詳しい者ならある程度内容を知ることができるという。
NHK広報部は「特ダネについては通常、内容が分からないよう、あいまいなタイトルをつける」としているが、今回のケースでどのようなタイトルがついていたかは調査を続けている。
一方、関係者によると、記者らは1〜5年の株取引の経験があり、1回に500万円程度の売買をすることもあった。今回のカッパ社株の購入の際、3人のうち2人は勤務中に職場を離れて自宅に戻り、注文を出していた。また1人は勤務中に携帯電話から注文していた。いずれも本人名義の取引口座を使っていた。
カッパ社株をめぐっては、記者らと同じように公開前の情報を入手して4000株を購入して利益を上げた会社役員が昨年11月、金融庁から44万円の課徴金納付命令を受けている。