【モスクワ大木俊治】ロシアのプーチン大統領は18日、ブルガリアのソフィアでパルバノフ大統領と会談し、ロシア産天然ガスを黒海海底を通って欧州に運ぶ「サウス(南)・ストリーム」パイプライン建設に、ブルガリアが参加することで合意した。来年5月に退任するプーチン大統領にとって、最後の外遊となる今回の訪問で、ロシアの欧州エネルギー市場への影響力をさらに強化することに成功した。
「サウス・ストリーム」は昨年6月、ロシアの政府系天然ガス独占企業「ガスプロム」とイタリア企業が建設に合意した。黒海、バルカン地方を経てイタリアに至るプロジェクトで、2013年の開通を目指す。今回はブルガリア国内のパイプライン建設で、同国とロシアが50%ずつ権益を分け合うことで合意した。
ロシアからの欧州向けガスパイプラインは現在ウクライナ、ベラルーシを経由する2ルートしかない。供給ルートの多様化を図るため、ドイツとロシアはバルト海海底を通る「北欧州パイプライン(ノルド・ストリーム)」敷設に合意した。
一方、欧州連合(EU)は、ロシア依存度を減らし、調達先の多様化を目指しトルコからの「ナブコ・パイプライン」建設を計画しているが、進んでいない。同パイプラインとルートが重複するロシアの「サウス・ストリーム」事業が進展すれば、一層の難航が予想される。
プーチン大統領は17日にソフィアを訪問。次期大統領への選出が確実視されるメドベージェフ第1副首相らが同行した。
ソフィアからの報道によると、会談後の共同会見でプーチン大統領は、ロシアからのガスパイプライン敷設ルートをめぐって「欧州諸国の間で激戦が起きている」と、資源供給国としての強い立場に自信を示した。