旭川市が全国の自治体で初めてインターネット上に立体画像で構築された仮想空間「セカンドライフ」にPR施設を設け、企業誘致と観光関連の情報提供を始めた。担当者は「開設1カ月で約700人が来場した。旭川を知ってもらうきっかけになれば」と話している。
同市は恵庭市のプロバイダ「ホッカイ・ネット」からセカンドライフ内の架空の島を無料で借り「旭川市企業誘致なんでも相談館」と「旭川観光情報館」を設置した。相談館は特産の家具をイメージした木造風の外観で、交通アクセスの利便性など立地面の優位性をアピール。隣の観光情報館では旭山動物園などの見どころを紹介しているほか、旭川冬まつりにちなんだバーチャル雪像コンテストも実施している。
企業誘致の成果はまだ出ていないが、経済紙や雑誌で紹介されるなど注目を集めており、担当者は「広告を出せば数百万円かかったはず」と喜んでいる。
セカンドライフは米国リンデンラボ社が運営し、日本語版は昨年7月に公開されたばかり。内閣府が防災に関するイベントを行ったり、旭川市に次いで神戸市がアニメーション振興事業のブースを設けるなど、官公庁の利用も始まっている。
ただ、快適に利用するには高性能の画像処理機能やブロードバンド回線が必要で、一般的なコンピューター利用者に普及しているとは言い難い。インターネットに詳しいジャーナリストの佐々木俊尚さんは「官公庁がインターネットという媒体に注目するのは良い方向だと思うが、セカンドライフはまだ利用者が少なく敷居が高いサービス」と効果に疑問符を付ける。【鈴木勝一】