仙台市泉区長命ケ丘の住民が、街の歴史を振り返りながら未来を展望する手作り劇を初めて企画した。タイトルは「愛の鐘ストーリー」。団地のシンボルとなっている「愛の鐘」周辺を舞台に、大規模な地震に襲われる近未来や住民が復興に向けて立ち上がる様子を描く。背景に使う絵画の制作に地元中学生の手を借りるなど地域の力を結集。3月の上演に向けて力の込もった練習を続けている。
企画のきっかけは、長命ケ丘市民センターで2006年度に実施された講座「長命よいとこ未来探し」。修了後に受講生10人が会合を重ね、幅広い年代の人たちに街づくりを考えてもらう公演を立案した。知人らに声を掛け、小学生から70代まで35人が集まって昨年10月、「劇団愛の鐘」を結成した。
ストーリーは愛の鐘がある長命ケ丘公園を中心に展開。子どもたちや高齢者が集う場に突然、大地震が襲う。けが人が続出し、避難所生活を余儀なくされる。愛の鐘も崩れてしまう。
何もかも失い、途方に暮れる住民。回想シーンでは1970年代、団地が造成されたころのエピソードを紹介する。子どもの数が足りなくて小学校の建設認可が危ぶまれたため、建設会社の社員たちが家族ぐるみで団地に引っ越した逸話などを紹介する。
最後は、新しい団地の将来を担うのは若者だというメッセージを客席に発する。
台本づくりを担当した同市民センター職員の斎藤直美さん(49)は「劇団員は素人ばかりだが、元役者の指導を受け、試行錯誤しながら、けいこに励んでいる」と語る。
チラシやポスターは劇団員が手作りし、舞台で使う団地の風景画などは長命ケ丘中の美術部や地元の水彩画サークルに制作を依頼した。
建設会社の社長役を務める会社員永山三男さん(66)が「地域への愛着を込めて演じたい。けいこを通じて団員の団結力が芽生えてきた」と話す。
斉藤柚香さん(11)=長命ケ丘小6年=は「みんなの前で演技をするのが楽しみ。せりふが多いけど、一生懸命覚えたい」と声を弾ませる。
公演は3月23日午後2時、長命ケ丘中体育館で開演。入場無料。劇団は住民のエキストラ参加を募集している。連絡先は長命ケ丘市民センター022(377)3504。