五島市は2008年度、同市奈留島に芸術村を創設する「奈留島発五島モンパルナス構想」に本格着手する。旧船廻小学校の跡地を利用して、同島出身の故笠松宏有(ひろとも)氏の記念美術館などを開設するとともに、国内外の芸術家に島内に住んでもらうことも計画。11日には構想を提案した特定非営利活動法人(NPO法人)「現代美術普及協会」役員と笠松氏の二女の清水知恵子さんら5人が市役所を訪れ、市側と協議した。
■小学校跡 美術館や宿泊施設開設 故笠松画伯(地元出身)作品も展示
構想によると、同小校舎や職員住宅などを改装し、作品展示施設やアトリエ、芸術家らの滞在施設を整備。島民らの絵画教室開設なども目指す。
「笠松宏有記念館」は同氏の作品20点を常設展示。7月のオープンを目指し、校舎の改装費を盛り込んだ新年度一般会計当初予算案を3月定例市議会に提案する。
記念館開設に合わせ、同協会に所属する画家、陶芸家、彫刻家ら3人の作家が島内に常駐し、活動を始める予定。秋には「現代アート展 IN 奈留島」を開き、笠松氏が所属した独立美術協会会員の画家、彫刻家、陶芸家ら100人のほか、地元住民の作品も展示する。
また、市内の小中高生や一般向けの陶芸教室、美術教室の開設や、九州の子供たちを対象にした寄宿制の漫画・アニメ学校も計画している。
現代美術普及協会の鈴木雅博理事長は「奈留は偉大な笠松画伯の生まれ故郷であり、画伯の絵を故郷に戻すのが一番良い。奈留の素晴らしい自然や文化は、芸術家の想像力を限りなく膨らませてくれる」と話した。岩村進副市長も「夢のあるスケールの大きな事業であり、五島から世界に文化を発信する機会だ。是非成功させたい」と意気込んでいる。
笠松氏は1957年、19歳で独立展に初入選。平和への祈りや五島の青い海などをモチーフにした絵を描いた。2005年、67歳で死去。
=2008/01/12付西日本新聞朝刊=