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*てんらんかい「ぶんがくのしょっかく」 ぶんげいさくひんに“ふれる”こころみ(さんけいしんぶん)*

展覧会「文学の触覚」 文芸作品に“触れる”試み(産経新聞

11日(金)8時1分



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 本来ほんらい読者どくしゃ能動のうどうてき想像そうぞうりょくによって完成かんせいしうるテキストベースの文芸ぶんげい作品さくひん世界せかいに、メディアアートが結びついむすびついたとき、なん起こるおこるのかひく。そんな展覧てんらんかい文学ぶんがく触覚しょっかく」が、東京とうきょう写真しゃしん美術館びじゅつかん開催かいさいされている。歌人かじん作家さっかとメディアアーティストが遭遇そうぐうする、それは刺激しげきてき現場げんじょうであるはずだ。ただ、文学ぶんがく作品さくひんを“読むよむ”という甘美かんび行為こうい、その妄想もうそうりょく妨げるさまたげるものにならないのだろうか。期待きたい懸念けねんと、どこか二律背反にりつはいはんてき思いおもい抱きだきつつ、あし運んはこんでみた。(酒井さかいじゅん

 展示てんじは3つに大別たいべつできる。テキストを聴きききするもの▽テキストのじゅう事象じしょう表現ひょうげんしたもの▽古典こてんへの憧憬しょうけい(どうけい)を表現ひょうげんしたものひくだ。

 今回こんかい展示てんじ先鋭せんえいてき象徴しょうちょうするのは、歌人かじんそんひろ石井いしい陽子ようこ作品さくひんよ、さわれるの」だろう。天井てんじょうのプロジェクターから短歌たんかのことばが手のひらてのひら投影とうえいされる。

 「えんじぇるの舌なめずりしたなめずり関数かんすう永遠えいえんにしてぜんよ」

 「」ということばが降っふってきたとき、おもさも、あつさもあるはずもないのに、手のひらてのひらなんかを知覚ちかくしたように錯覚さっかくする。石井いしいも「敏感びんかん手のひらてのひらという部分ぶぶん映像えいぞう表示ひょうじされたらどう感じるかんじるのかを味わっあじわってほしい」と話すはなす

 近森ちかもりはじめひさしおさめ鏡子きょうこは、作家さっか松浦まつら寿ひさてる小品しょうひんがつひかり」に象徴しょうちょうてき登場とうじょうする生き物いきもの影絵かげえ映し出しうつしだした。鑑賞かんしょうもの動きうごき呼応こおうし、月光げっこう想起そうきさせるひかりのサークルに、を、こえをともなうかげ動くうごく。サークルのじゅう鑑賞かんしょうもの登場とうじょう人物じんぶつ戯れるざれる挿絵さしえ近いちかい感覚かんかくかもしれないが、ひさしおさめは「挿絵さしえより独立どくりつしている。文学ぶんがく同じおなじ方向ほうこう走るはしる平行へいこうせんのイメージ。松浦まつらさんとのキャッチボールを感じかんじてほしい」。

 視覚しかくてき試みこころみ実践じっせんしてきた小説しょうせつ平野ひらの啓一郎けいいちろう中西なかにしたいひとの「記憶きおく告白こくはく」は、白いしろいボールを介しかいしてテキストをおおスクリーンに映し出すうつしだす動かしうごかしかたによって、テキストのスタイルは変容へんようする。操っあやつっているようで、操らあやつられる感覚かんかくは、読んよんでいるようで読まよまされている読書どくしょ体験たいけん通じるつうじるものがある。平野へいやは「言葉ことば深度しんど具現ぐげんされる。かみ印刷いんさつされた文字もんじにはインクの物理ぶつりてきおもさなどなんグラムというおもさがあるが、それがないことばがてきている現状げんじょう関心かんしんがある。こうしたメディアアートは読み手よみて書き手かきて関係かんけい変えるかえるものかもしれない」と語るかたる

 このほか、dividualは作品さくひん「タイプトレースどう まいじょうおう太郎たろうこれかん」で、作家さっかまいじょう推敲すいこう(すいこう)をはじめとした創作そうさく過程かてい視覚しかくした。作家さっか川上かわかみ弘美ひろみ児玉こだま幸子さちこのコラボレーション「七つななつ質問しつもん」は、暗いくらい空間あきまかがみ向き合いむきあいながら、川上かわかみ自身じしん読み上げるよみあげる質問しつもんみみにする。

 今回こんかい展示てんじは、文学ぶんがく作品さくひんに“触れるふれる”という、新しいあたらしい可能かのうせい示ししめした。同館どうかんは「競い合うキソイアウような交差こうさを通してをとおして新たあらた表現ひょうげん可能かのうせい創出そうしゅつされないだろうか」という。ただ、文芸ぶんげい作品さくひんとメディアアートは、寄り添うよりそう程度ていど節度せつどある距離きょり保ったもっているぐらいが、見るみるものを心地よくここちよくさせるのではひくとも思わさおもわされた。2がつ17にちまで。
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