日本経団連は10日、都内で企業経営者や人事・労務担当者が今春闘の労使交渉に向け経営課題などの意見を交換する「労使フォーラム」を開いた。基調講演を行った御手洗冨士夫会長は「業績のよい企業は働く人への配分を厚くすることを検討してもよい」と述べ、好業績企業の賃上げを容認した。一方、フォーラムに出席した連合の高木剛会長は「労働分配率が下がり続ける状況に大きな変化は起きていない」と大幅な賃上げの獲得を掲げるなど、春闘の前哨戦の様相をみせた。
御手洗会長は講演で、今後の労使交渉について「景気回復が続いているが、自社の支払い能力がどの程度あるかを見定めたうえで経営側の姿勢を決めねばならない」と述べ、企業業績や体力に応じて賃上げを判断すべきだとくぎをさした。
一方、企業が生み出す付加価値のうち、賃金など労働者への配分の割合を示す労働分配率が低下傾向にあることについて、御手洗会長は「労働分配率は業種や企業ごとに異なり、総額人件費改定の目安となるものではない」と主張。労働分配率の低下を理由とした賃上げに難色を示した。
米低所得者向け高金利型住宅ローン(サブプライムローン)問題や原油高で経営者は景気の先行きへの不安を募らせており、今春闘で企業がどれだけ賃上げを行うかが注目される。