フリーアドレスオフィスは、1987
年に
大手建設会社で、スペースの
効率的な
利用方法として、
社員の
席を
固定的にしないで、
空いている
席を
自由に
使用する
試みがなされたのが
始まりといわれている。
日本では
和製英語の「フリーアドレス」と
呼ばれているが、
世界中に
普及した
今、
米国ではノンテリトリアルオフィス、シェアードオフィス、ホテリングオフィスなどと
呼ばれている。
【表:フリーアドレスオフィスの検討事項一覧】●フリーアドレスの
目的はオフィスコストの
削減 フリーアドレスの
本来の
目的は、スペースを
小さくすること。つまり、
個々の
社員の
固定したデスクを
設けず、
在籍者(
入居人数)より
少ないデスクを
共用して、スペースと
家具の
費用を
削減するという
考え方だ。このため、
外出することが
多い営業部門やサービス
部門などに
広く採用されてきた。
一方、これを
導入することで、
対象となる
社員のワークスタイルを
変更し、
基本的には
直行直帰の
勤務とし
必要に
応じて
帰社するといったスタイルも
出現。
効果を
上げた
企業では、デスクの
数を7
割も
少なくしたという
例もあるという。
また、フリーアドレスオフィスは、
組織や
人事異動にかかわらず、オフィスレイアウトや
情報システムを
変更しなくてもよいため、
運用コストが
削減できる
方式ともいえる。フリーアドレスオフィスにはいくつかの
形態があるが、
日本では、テーブル
型の
幅が
大きなデスクを
使用し、
社内にいる
社員が
自由に
場所を
選んで
座り、
人数が
多いときは
一人当たりが
狭いデスク
幅となり、
人数が
少ないときは
広いスペースを
使えるといった「
作業面共用型」が
一般的となっている。
●フリーアドレスオフィスの
目的が
変わってきた
ところがこの数年間で、その目的が大きく変化してきている。実際に導入することでコスト以外の効果がクローズアップされるようになり、今ではこの副次的な効果を主たる目的としてフリーアドレス化をする企業が増えているのだ。それでは、いったいどんな効果があるというのかみてみよう。
1つ目は、「コミュニケーションの活性化」だ。職位や部署を超えてシームレスにフリーアドレス化することにより、社内のあらゆる人たちのコミュニケーションができ、情報共有や知恵、知識の培養ができる。会議や打ち合わせといった形式的なコミュニケーションではなく、自然発生するインフォーマルな会話が思わぬ成果を生み出すのだ。
2つ目は、「仕事に応じたコラボレーション」。つまり、その日の仕事に必要な人と自在にグループを組み、適当な席を選んでコラボレーションすることができるため、知的生産性向上の有効な手段であるとの認識ができてきいる。
3つ目は、「セキュリティ対策」としての効果だ。フリーアドレスオフィスでは、毎日、席を替わるのが原則であるため、帰宅時や外出時にデスクの上に書類やパソコンを放置しておくわけにはいかない。必ず片付けてクリアデスクにしなければならない……つまり、業務外の時間はいつもデスクの上にモノがないという状態になるのだ。また、多くの書類を持つと毎日の整理整頓に手間がかかるため、書類は少なくといった意識もが芽生えるという。
4つ目は、「リフレッシュ効果」。毎日席を替わることは、絶えず執務する環境が変わるわけであるため、無意識のうちに新鮮な気分で仕事ができる。フリーアドレスオフィスを採用した会社では、人気のある席を確保するため、早朝から出勤する社員が増えたという話もあり、働く環境が社員にとっていかに重要かというのがわかる。
●フリーアドレスオフィスの導入は慎重に
このように、一見メリットが多いように見えるフリーアドレスオフィスだが、実現するためには、「どの範囲(部署や対象者)で実施するか」「導入したときの社員の課題は何か」「組織としての課題は何か」など、さまざまな検討課題がある。以下の表に検討すべき課題をまとめたので、導入を決める前に必ずチェックしてほしい。
また、予定が変更になり急に帰社してきた社員や出張者など外部から来る社員の席として、タッチダウンオフィスを用意することも大切なポイントだ。最近では、課題の解決とフリーアドレスの効果の適正化のために、デスク数を減らさない、さらにはより多く配置する企業も増えているようだ。
まずはさまざまな事例を研究し、フリーアドレスオフィスが自社のワークスタイルに適しているかどうかを見極めるところから始めたい。
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