ニューヨーク(ウォール・ストリート・ジャーナル)米マイクロソフト(Nasdaq:MSFT)は10日、企業向け事業部門担当社長のジェフリー・レークス氏(49)が引退し、後任に米ネットワーク機器大手ジュニパー・ネットワークス(Nasdaq:JNPR)の最高執行責任者(COO)を迎えることを発表した。
スティーブン・イーロップ氏(44)が1月末に同社の3事業部門のひとつで企業向けの「マイクロソフト・ビジネス・ディビジョン(MBD)」の社長に就任する。統合ソフトウエア「オフィス」などを手掛け、マイクロソフトで2番目の大部門であるMBDを統括したレークス氏は、9月に引退するまで経営陣の一員として事業戦略の開発と指導に携わる。
イーロップ氏は、2005年に米ソフトウエア大手アドビ・システムズ(Nasdaq:ADBE)に買収されたマクロメディアの当事の社長兼最高経営責任者(CEO)。ジュニパーでは1年間、戦略執行を指揮。アドビでは営業の「ワールドワイド・フィールド・オペレーションズ」担当社長を務めた。
イーロップ氏を迎えることでマイクロソフトは将来の経営を担う可能性のある司令のスペシャリストをまた1人加えたことになる。スティーブ・バルマーCEOはここ数年、社外の人材の最高幹部への登用を進めている。そのうち数人は、遠い先になる可能性もあるが、育成期間を経て同氏の後任に就く日も来るかもしれない。その候補のひとりはケビン・ターナー氏。バルマーCEOが05年、小売りチェーン大手ウォルマート・ストアーズ(NYSE:WMT)に20年間在籍した同氏をマイクロソフトのCOOに引き抜いた。
レークス氏の引退は、マイクロソフトの一時代の終わりを告げる。ネブラスカ州出身のレークス氏のマイクロソフト入社は1981年。広く普及している「ワード」「エクセル」「パワーポイント」などのプログラムで構成する統合ソフトウエア、オフィスの成長に貢献した。
イーロップ氏が新たな職務で引き継ぐのは、従業員8万人を擁する企業のなかで有数の運営効率を誇る一方、グーグル(Nasdaq:GOOG)など多くの新しいライバルがウェブサービスをもってオフィスの領域を奪おうと攻勢を掛けるなかで課題に直面する部門。同氏の主な役割は「オフィス・ライブ」など、マイクロソフトの企業向けオンラインサービスの発展を指揮することになる。
MBDは電子メールと電話の統合やその他の企業コミュニケーションなど、新しい分野にも多額の投資を行っている。ソフトウエア業界で比較的新しいこの分野では米ネットワーク機器大手シスコシステムズ(Nasdaq:CSCO)や従来型の通信機器メーカーをはじめ多数の企業が競争相手だ。