ニューヨーク(
ウォール・ストリート・ジャーナル)
米バンク・オブ・アメリカ(NYSE:BAC)が、
苦境に
立つ米住宅金融大手カントリーワイド・ファイナンシャル(NYSE:CFC)の
買収に
向けて
動いていることは、
当然ながらリスクを
伴うものの、ケネス・ルイス
最高経営責任者(CEO)がバンカメの
将来および
疲弊した
金融システム
に対し、
強気の
賭けに
出たことを
示している。
ルイスCEOの
行動は、バンカメのバランスシートをめぐる
懸念を
少なくとも一時的には
払しょくさせる
可能性がある。バンカメは、
外国からの
資本注入を
受けたライバルのシティグループ(NYSE:C)のように
厳しい状態にあるとみられたことはないが、
投資家の
間では、
住宅ローン
絡みの
多額の
損失によって、どのような
金融大手でも
外部の
投資家に
出資を
求めるか
減配するかで
資本増強する
必要に
迫られるとの
懸念があった。
こうした
懸念により、バンカメの
株価はほかの
金融株とともに
下落していた。
今週に
入り、バンカメ
株は52
週安値を
更新。2004
年前半以来の
安値をつけていた。
しかし、バンカメはカントリーワイド・ファイナンシャルの
買収に
向けた
交渉が
進んだ
段階にあると
報じられたことを
投資家は
好感し、10
日の
取引でバンカメ
株は
上昇。
終値は
前日比56セント(1.45
%)
高の39.30ドルだった。
実現すれば、
金融業界全体にとってポジティブとみられ、このところ
売り込まれていた
金融株が
買われた。ワシントン・ミューチュアル(NYSE:WM)は1.82ドル(14.75
%)
高の14.16ドル、
債券保証引受会社のMBIA(NYSE:MBI)は71セント(5.30
%)
高の14.11ドル。
ルイスCEOの
行動は、
今月22
日に10
−12
月期決算を
発表するバンカメが、
住宅ローン
絡みの
証券で
予想を
上回る評価損を
計上して
市場にショックを
与える、といったことはないと
示唆しているもよう。アナリストらは、バンカメが40
億−60
億ドル
相当の
評価損を
計上すると
予想しているが、さらに
大きな額となる
可能性も
排除していなかった。
バンカメは昨年8月、カントリーワイドの議決権のない転換優先株式20億ドル相当を取得した。この優先株は1株18ドルでカントリーワイドの普通株約16%に転換できる。カントリーワイドの株価は最近、5ドルを下回っており、ルイスCEOが少なくとも過去に1回、カントリーワイドについて判断を誤ったことを示している。
バンカメによる買収の可能性が伝えられる前の10日午前の取引では、カントリーワイド株は9月末時点の純資産のわずか20%に相当する価格で取引されていた。バンカメによる買収で合意した場合、どのような買値となるかは不明だが、現水準に近ければ、バンカメは純資産を大きく下回る価格で買収することになる。
買収が実現した場合、それが成功となるかどうかはカントリーワイドが実際にどの程度病んでいるかにかかる。一部の投資家は、主に信用収縮による資金不足で同社が苦戦しているとみている。しかし他の市場関係者は、カントリーワイドの問題は資金繰りにとどまらず、営業赤字、評価減による多額の損失、訴訟問題、当局の調査などにも直面しているという。
カントリーワイドは07年7−9月期に信用関連の評価損などで27億ドルを計上した。新しいローンを提供するための資金を調達できず、追加的な損失で資本がさらに損なわれる可能性から、同社が連邦破産法の適用申請を余儀なくされるのではないかとの懸念が強まっていた。カントリーワイドは今週8日、そうした観測を否定する声明を出している。
(1月11日付のHeard On The Streetより)