お年寄りが住み慣れた町で自立しながら生活することを目ざし、大津市内の商店街の空き店舗を利用してさまざまな取り組みをしてきた市民団体が、7年間の活動の足跡をつづった「町のオアシスの2555日介護予防とまちづくり」を出版した。音楽会や茶話会、壁新聞作りなどさまざまなアイディアが盛り込まれており、地域活動の参考になりそうだ。
■空き店舗で昼食会、健康相談
「町のオアシス」は2000年、同市のナカマチ商店街の空き店舗に「自宅以外の居場所を作ることで、お年寄りの日々の暮らしのリズム作りに役立ててほしい」と、市内の女性有志3人が開設。週4度オープンし、お年寄りとスタッフが昼食を共にしたり、折り紙や気功教室、コンサート、健康相談などを開いてきた。
使われなくなりつつある大津言葉を発掘調査し、壁新聞で発表したり、学生とお年寄りが一緒に町の危険度の調べ、地図作りにも取り組んだ。スタッフは、交通費のみ支給のボランティア。施設使用料や運営費は、公的補助やスタッフが講演会などの講師を務めた収入で賄った。
しかし、スタッフの高齢化が進む一方、利用者のお年寄りに要介護の人も増加。十分なケアができないことから今年7月、活動に幕を下ろした。
本はAB判、94ページ。7年間の活動やスタッフの思いを、年表や写真、新聞記事なども使って紹介している。サンライズ出版、1260円。
世話人代表を務めたデザイナーの福井美知子さんは「お年寄り自身も周囲の人も『町のオアシス』で活動することで介護予防になり、町も元気になることを体感した。本で成果を知ってほしい」と話している。