ロンドン(ウォール・ストリート・ジャーナル)英国当局は今週、経営難に陥っている同国の住宅金融大手ノーザン・ロック(NRK.LN)に対する買収提案を審査する予定だが、取引がまとまった場合でも政府の金融支援が引き続き必要となる公算が大きい。事情に詳しい関係者が明らかにした。
ノーザン・ロックは9月、金融市場の混乱から経営危機に陥り、イングランド銀行と英財務省からの緊急融資に依存している。いくつかのグループが同社経営権の取得を提案したか、提案をとりまとめているところだ。
ノーザン・ロック買収の有力候補は、スイスの銀行大手UBS(NYSE:UBS)の元幹部、ルクマン・アーノルド氏が率いる会社。同氏は、信用市場が間もなく平常に戻ると見込んでノーザン・ロックの少数株式を取得、その指揮を執るとみられている。
経営権取得を目指すそのほかの2社は、英ヴァージン・グループが率いる企業連合とニューヨークの未公開株投資会社JCフラワーズ。フラワーズの提案は、今週提出される見込み。
その他にも、ノーザン・ロックの一部あるいは経営権と少数株式を取得し、同社の独立性を大幅に残す提案などがある。
提案のとりまとめ作業を行っているグループは、ノーザン・ロックの幹部や取締役会よりも財務省関係者と頻繁に協議を行っている。こうしたグループによると、ノーザン・ロックの経営権の譲渡は数週間、あるいは数カ月先になるという。
ノーザン・ロックは9月、緊急融資を受けるとの報道が英国で100年ぶりとなる取り付け騒ぎに発展。米サブプライムローン(信用度の低い借り手への住宅融資)問題に端を発した市場の信用収縮によって打撃を受けたことで最も注目された1社となった。同社は住宅ローンの資金繰りに金融市場を利用し、積極的な事業拡大を推進していたが、夏には米サブプライムローンに関する懸念が広がり、資金調達先として頼っていた市場がほぼ干上がったため経営難に陥った。